郵便料金計器や封入封緘機などのメーリングシステムを販売するPitney Bowesは、マーケティング部門、フィールドサービス部門、営業部門などでOracleのBI製品を展開している。これにより、米国内の130万を超えるユーザー企業の情報を総合的に管理できる仕組みを実現。TCO(総保有コスト)の削減とROI(投資利益率)の向上を実現している。
次に、Kurian氏は、新しいユーザーインタラクション(UI)について紹介。Web 2.0に対応した次世代UI環境「Oracle WebCenter Suite」を紹介した。
「エンタープライズアプリケーションの利用者は、さまざまな情報を、さまざまなシステムから抽出し、コンポジットアプリケーションとして取り込みたいと考えている。すでにポータル環境は提供しているが、それだけでは十分ではない。Web 2.0に代表されるAjax技術やRSSリーダー、Wikiなどの機能によりコミュニケーションのあり方が変化しつつあるためだ」(Kurian氏)
Oracle WebCenter Suiteは、Web 2.0対応アプリケーションやポートレットなどを統合するための枠組みとなるWebCenter Framework、コンテンツ管理および検索機能、アプリケーション統合機能、Web 2.0コミュニティ統合機能、デスクトップ統合機能、モバイル&VoIPアクセス機能の6つのコンポーネントで構成されている。
コンテンツ管理機能では、コンテンツインタフェース標準であるJSR-170に対応し、インターネット上に展開されているさまざまな機能をマッシュアップすることが可能。コンテンツは、データベースやファイルシステム、ドキュメントリポジトリなど、さまざまなデータソースを活用できる。
Kurian氏は最後に、Identity Managementの機能について紹介した。Identity Managementは、複数のディレクトリサービスを仮想化することで、分散されたアプリケーションにセキュリティを保ちながら透過的にアクセスすることが可能。シングルサインオンをはじめとする効果的なアクセス環境を実現し、セキュリティ所有コストを削減することができる。
ストレージメーカーであるNetwork Applianceは、Oracle EBSをはじめ、PeopleSoft、Siebel、SAPなど、さまざまなアプリケーションを導入してきた。これらのアプリケーションを管理することは複雑なプロセスが必要であり、コンプライアンスの面でも工夫が必要だった。そこで、OracleのIdentity Managementを採用。すべてのアプリケーションへのアクセスを、ひとつのテクノロジで標準化することが可能になっている。
「Oracle Fusion Middlewareは、3万1000以上のグローバル企業に採用されており、7800のパートナー企業が販売、サポートしている。また、4780社のISV、3万8500社のSI、4500社のVAR、227の特許を持っている。多くの企業が、Oracle Fusion Middlewareを使用してIT環境の変革を進めている。この優れた能力をぜひ実感してほしい」(Kurian氏)