ワイズノットは11月8日、オープンソースソフトウェア(OSS)のOSからミドルウェア、アプリケーションまでをトータルでサポートするサービス「オープンソース・トータルサポート」の記者説明会を開催した。サービスの正式発表は14日を予定しており、21日に発売開始する。
ワイズノットのエンタープライズソリューション事業本部 執行役員 土橋芳孝氏は、「Linuxオープンソース白書2006」に示された調査結果から、「Linuxサーバ導入の問題点として、技術者不足を指摘する回答が全体の約64%にも上っている。こうした技術者の不足感を払拭できるリーズナブルなサポートサービスが必要だ」と述べ、今回のサービスを提供するに至った背景を説明した。
トータルサポートは、「LAMP/LAPPサポート」「OSSアプリケーションサポート」「OSSアプリケーションサポート+」の3つのサポートレベルで提供される。LAMP/LAPPサポートでカバーするのは、Linuxコマンドの使用方法、サーバソフトウェアの使用方法や設定方法、LAMP/LAPPの障害調査だ。OSSアプリケーションサポートは、LAMP/LAPPサポートのサポート範囲に加え、OSSアプリケーションの使用方法や設定方法、障害調査までをカバーする。OSSアプリケーションサポート+ではさらに、OSSアプリケーションのインストール方法やアップデート方法、障害対応までをカバーする。
これまでにも、シーイーシーの「OpusCoreスタックサービス」や野村総合研究所の「OpenStandia」など、OSSをサポートするサービスは存在していたが、土橋氏は「他社がカバーしているのは主にミドルウェアのみ。ワイズノットのようにOSやアプリケーションまですべての領域をカバーするサービスは業界初だ」とアピールする。
トータルサポートの価格は、年会費と1インシデント込みで年間22万8900円から。ワイズノットのOSSパートナーアライアンスプログラム「VOSANOBA」に参画する企業に対しては5%割引が適用される。
トータルサポートでは、ワイズノットが構築したシステム以外もサポートする。ただし同社は、推奨するOSSとして「Red Hat Enterprise Linux Version 4 ES」「Debian GNU/Linux 3.1」「Xoops 2.0.15」「Xoops Cube 2.0.16a」「osCommerce 2.2」などを挙げている。推奨OSS以外もサポートするが、価格は割高となる。また、OSS以外との混在システムの場合は、「問題を切り分けてサポートするが、パートナーと協業して混在環境でもサポートできるサービスを年明けには発表したい」(ワイズノット ソリューション営業本部 執行役員 吉政忠志氏)としている。
土橋氏は、トータルサポートの顧客数の目標として「今年度内に50社と契約したい」と述べた。