Grooveを業務支援ソリューションのビルディングブロックとして推進--リコー

柴田克己(編集部)

2007-03-20 09:21

 the 2007 Microsoft Office System(Office 2007)の推進にあたり、今回のバージョンからOfficeファミリーに加わった「Microsoft Office Groove」の企業向けソリューションを提供することを表明しているパートナーの1社がリコーだ。

 Grooveは、2006年6月よりマイクロソフトのチーフソフトウェアアーキテクトを務めるRay Ozzie氏が、2005年に同社によって買収されたGroove Networksで作り上げてきたコラボレーションツール。またOzzie氏は、現在IBMの製品となっている「Lotus Notes」の開発者の1人としても知られる。

 Grooveでは、「ワークスペース」と呼ばれる単位で、チャット、ディスカッションボード、ファイルシェアリング、ホワイトボード、スケジューラといったコラボレーションのために必要なツールを統合的に管理し、このワークスペース全体を、他のユーザーと共有しながら作業を進めていく。

 Grooveの最大の特徴は、そのアーキテクチャだ。ユーザーがワークスペース上で共有しているデータは、クライアント同士、もしくはサーバ経由で逐一同期され、最終的には、そのワークスペースを共有しているすべてのユーザーのクライアント環境に最新のデータが保存されている状態を保つ。これによって、クライアント/サーバ型、ピア・ツー・ピア型、オンライン/オフラインといった、さまざまな利用環境にあるユーザー間のコラボレーションを可能にする。

 基本的に、すべてのデータをサーバ側に集約し、ユーザーはウェブブラウザを通じてサーバ上のデータを参照、編集するというスタイルのグループウェアがポピュラーな現在において、こうしたアーキテクチャは独特に感じられるかもしれない。しかし、Grooveが持つこうした仕組みの源流は、今でも多くのユーザーベースを持つ「Notes」にある。

 リコー、販売事業本部、ソリューションマーケティングセンター副所長の佐藤芳郎氏は、同社がGrooveの企業向けソリューションを提供することになった経緯について語る際に、まずこうしたGrooveとNotesの類似性について触れた。同社は、Lotus Notes/Dominoの導入、運用ソリューションに関しても長年の実績を持つ。

 「Notesの立ち上げ当初にも、多くのベンダーがソリューションパートナーとして参画した。しかし、そのビジネスは、単純に『ツールを入れて終わり』というものではなかった。そこには、インストールから始まり、ユーザー教育、運用、活用、開発など多くのビジネスカテゴリがあり、その一部だけしかサポートできなかったところは、徐々に対応が難しくなってきている。Notesのようなグループウェアは、利用しているお客様に対して、製品の価値を上げるサービスを、トータルで提供できなければ生き残れない。Notesに関する包括的なビジネスを通じて、われわれはそうした基盤を築いてきたと自負している。この地盤の上に、Grooveというツールは乗りやすいだろうと考えている」(佐藤氏)

Office Groove 2007画像 独特のアーキテクチャを持つ「Microsoft Office Groove 2007」。そのコラボレーションツールとしての起源は、Ray Ozzie氏が開発に関わった「Notes」にある。

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