“顧客の声”を有効に分析--トランスコスモスの「顧客の声(VOC)分析デスク」

田中好伸(編集部) 2007年03月30日 08時45分

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 コールセンターサービス大手のトランスコスモスは3月30日、コールセンターに寄せられる意見を記録・分析し、分析結果を踏まえて実践的・科学的なアプローチから事後のマーケティング施策・立案、実行支援までを支援する仕組み「顧客の声(VOC)分析デスクサービス」(VOC分析デスク)の提供を開始した。

 同社は以前から、アンケートや応対履歴システム(CTS)のコールログなどに記録される文章データの分析代行サービス「Text Valuator」をメーカーや流通、通信、金融・保険などの業種で展開。テキストマイニング手法を用いた“顧客の声(Voice Of Customer:VOC)”の分析ノウハウを積み重ねてきている。

 そうしたノウハウをもとに、コールセンターに寄せられるVOCをリアルタイムに分析し、その変化を察知して、分析結果にもとづいた施策の立案を可能にするというのが、今回提供開始となったVOC分析デスクだ。

 VOC分析デスクは、分析目的に合わせたコールログを残す専門チームと選出した分析担当者を配置、定常的に分析、レポートすることで、分析オペレーションを通常のコールオペレーションと相互連携させながら運用していくサービス。

 専門チームが、分析目的や活用領域にあった情報に狙いを定め、深掘りしたVOCを聞き出すことで、通常は分析精度の低いデータしか残らないとされているコールログを、分析に有効活用できるような高精度のデータへ改善することが可能になるという。

 同サービスは具体的に、(1)コールログ診断サービス、(2)VOC分析デスク導入支援+運用代行サービス――という2つのサービスから構成される。

 (1)のコールログ診断サービスは、コールセンターに蓄積されているデータを課題整理のためのパイロット的に分析する。実際のデータとVOCの活用目的を照らし合わせて、蓄積されているデータが十分な精度のデータであるかどうか、問題があるとすれば、どのような改善策が講じられるかどうかを検討し、以後のVOC活用法を進めていくための課題を“棚卸し”することになる。

 なお、コールログ診断サービスには、コールセンターでの運用ルールの抜本的見直しやCTSのシステム回収などを行うログ改善策導入テスト分析も用意されている。コールログ診断サービスのテスト分析が150万円から、ログ改善策導入テスト分析が別途見積もりとなる。

 (2)のVOC分析デスク+運用代行サービスは、VCO分析デスクをコールセンターに導入する際の人材育成や立ち上げ支援と、VOC分析デスク運営の外部委託(アウトソーシング)になる。

 人材育成や立ち上げ支援では、ユーザー企業のコールセンターで収集された実データを利用して、OJT形式で研修を行うことになる。「分析目的や内容は決まっているものの、VOC分析をいかに行えばいいのか」「コールセンターの人材を育成していきたい」というユーザー企業の課題に答えることができる。こちらの価格は130万円から、となっている。

 VOC分析デスク運営のアウトソーシングは、トランスコスモスの分析担当者が、実際にVOCの分析とレポート作成を行う。「VOCを週次や月次など定常的に分析したいが、人材や設備などの余裕がないユーザー企業に最適」とトランスコスモスでは説明している。価格は別途見積もりとなっている。

 なお、トランスコスモスの分析担当者は、野村総合研究所(NRI)が認定する「テキストマイニングアナリスト初級」資格を保有している。テキストマイニングとは、数値の定量分析に加えて、VOCや文章など定性的に分析する技術のことだ。

 トランスコスモスはこれまでにVOC分析サービスの導入事例として、通販、通信、金融の各業種で効果があったと説明している。

 ある通販企業では、受注時の購買理由を分析することでウェブ広告の費用対効果を改善したいという要望を持っていた。この企業がVOC分析デスクを活用した結果、受注時に聴取した購買理由から、顧客属性や商品ごとのキーワードを抽出、それを広告のキーワード選定に活かすことで、問い合わせ1件あたりの広告費をそれまでの14分の1に抑えることに成功、費用対効果を大きく改善したという。

 また、ある携帯電話事業者では、番号ポータビリティ(MNP)開始に伴って、解約理由や乗り換え状況を分析することで、解約防止案の立案にVOC分析デスクを利用している。同社では、解約理由や競合他社への乗り換え状況を聴取して、顧客争奪状況を経営層にレポートすることで素早く解約防止案を立案できるようになっているという。

 また、金融事業者は、キャンペーンへの反響を分析することでダイレクトメール(DM)リストや媒体を改善したいという目的からVOC分析デスクを活用。キャンペーンの反響を効果測定して、反応率の高い顧客層の特定、DMでの説明の不備など余計な問い合わせの発生理由を解明して、DMの配送リストやコンテンツの改善に成功したとしている。

 トランスコスモスでは、今回のVOC分析デスクを導入することで「ユーザー企業のマーケティングROIを向上させることができる」と説明している。

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