NTTデータは6月11日、独ikv++(アイケイブイ・プラスプラス)と資本提携(8.9%の出資)を含む提携を実施し、ikv++が新しく設立する日本法人を通して協業体制を強化すると発表した。
今回の提携は、NTTデータが進めている次世代の「モデル指向開発技術」への取り組み強化の一環。システム開発の設計記述表現にコンピュータ解釈可能な「モデル」を採用することで高品質のソフトウェアを実現するために実施された。NTTデータは、モデル指向開発の実践を推進する専門チームを社内に編成する。
ikv++は、モデリング言語とその関連技術の標準化を行っている標準化団体である「OMG(Object Management Group)」が定めた標準技術仕様に基づく高度なモデル管理技術を保持している。
すでにNTTデータは、社内で実施してきた基礎研究の成果をもとに、ikv++と共同で次世代のモデル指向開発を支える新しい開発ツール群として、ikv++が提供する、OMGが定めた標準技術仕様に準拠したモデル管理機能を提供する基盤ソフトウェアである「medini」を基盤にNTTデータのモデル開発技法と関連するノウハウを組み込んだツールセットを整備している。
NTTデータは今後、次世代モデル指向開発技術の実プロジェクトでの適用を推進し、その適用範囲の拡大することで、2010年度までに年間50開発プロジェクト以上での適用を可能にする体制を目指す。
モデル指向開発は、各開発成果物の構造と意味は、モデルを用いることで厳密かつ高い抽象度で簡潔に定義可能となるというもの。その表記法は、自然言語に比べてより形式的な表現が可能である「UML(Unified Modeling Language)」などの図表表現を用いられる。
開発成果物をモデル表現することで、誤りや矛盾の混入を減少させ、開発者間の誤解を防止、加えてコンピュータも開発成果物を解釈が可能となる。設計・製造作業の自動化、一貫性チェックの実施などの開発作業の機械化を可能にし、開発成果物の品質の向上と開発生産性の改善を実現されると言われている。