BEA Systemsはミドルウェアの領域で技術的なイノベーションを続けてきた。この領域での関心はデータをいかに扱うか、という点であった。
現在、同社はデータをいかに知識や知恵―ナレッジ―といわれるものに変えていくか、そして、必要なナレッジをいかに集めて有効な意志決定に変えていくか、という領域にイノベーションの対象を広げている。
6月27日から28日まで開催された同社のAPAC Analyst and Media Summit 2007では、データからナレッジへの転換について、同社の注力するSOAや仮想化そしてリアルタイムという様々なテクノロジがいかに貢献できるかという点が訴求された。
同社の製品がカバーする主な技術は、ユーザーとコンテンツを扱うSocial Computing(Web 2.0)、リソースの柔軟な配分を実現するVirtualization(仮想化)、センサーやモバイルをあつかうEdge Computing、膨大な情報から必要なものを必要十分に提供するSemantic Technology、リアルタイム処理を実現するTime and Event Driven Computingにわけることができる。
さらに、これらをITとして統合するものとして位置づけられるのがSOA。そしてこれらの技術から得ることのできるナレッジを意志決定や実行につなげていくのがBMPとなる。つまり、SOAはITを、BMPはビジネスを最適化する。
最適化とはつまり、効率とコントロール、素早さの実現だ。
「SOAは巨大なシステムを作り、統合するための考え方」とBEAでToolsのVice Presidentに就くBill Roth氏。SOAに効率とコントロール、素早さをもたらすのがSOA 360°だ。特にWorkSpace 360°はSOA開発において、お互いに異なる様々な役割をもつ参加者間のコミュニケーションギャップを取り除くものとなる。
Edge Computingはデータ収集の対象を広げ、より多くのデータから素早くナレッジへと変換する。また、現在リアルタイムで処理できない情報が多く存在する。これに対してはTime and Event Driven Computingによって対処する。この2つについてはRFIDや携帯電話の普及によってエンタープライズが扱う情報飛躍的に増加したことによりニーズが高まっている。
また、SOA開発における顧客の悩みにを解決すべくAquaLogic Pages/Ensemble/Pathwaysを開発。開発者以外も対象とする企業内のコラボレーションツールとしてリリースしている。
これら全てが稼働するインフラストラクチャを最適化するのが仮想化となる。
BEAはこうしたカバレッジの広さで、自らがSOAのリーダーであるとする。Bill Roth氏はBEAが特別なのは「"Thought Leader"―様々なことを最初に、最短の道で実現すること」と、今後もスピードを緩めない展開を示唆した。