パルタックで流通BMSに対応したEDIシステムが実稼働--TISが支援

田中好伸(編集部)

2007-07-11 18:47

 化粧品・日用品、一般用医薬品卸売業大手パルタックはこのほど、「流通ビジネスメッセージ標準(Business Message Standard:BMS)」に対応したEDI(Electronic Data Interchage、電子データ交換)システムを構築、実稼働させた。通信環境の構築・共同検証などをTISが支援した。

 今回、稼動を開始したシステムは、データ・アプリケーションのEDIミドルウェア「ACMS(Advanced Communication Management System)」をコアとした流通BMS EDIシステムだ。公衆回線を使用したデータ交換技術仕様であるJCA手順などの対応に加え、ネット技術を使用したAS2手順、ebXML/MS手順やJX手順に対応したシステムとなっている。

 パルタックでは、2006年12月上旬にプロジェクトを立ち上げ、2007年4月中旬に小売業との流通BMS EDIによる接続を開始。同プロジェクトでTISは、ACMSを採用したEDIシステムの構築ノウハウをもとに、パルタックの既存EDIシステムを停止することなく、流通BMS EDIシステム環境を約4カ月で構築し、本番業務を稼動させている。また、すでに大手小売業との流通BMS EDIによる接続が開始されている。

 パルタックはこれまで、小売・卸・メーカー間の電子データ取引に取り組んできたが、相手企業で異なるシステム環境が必要な従来のEDIでは、増加する取引先企業数やデータ量に伴い、パルタックと相手企業、双方の管理コストが増加してしまうという課題を抱えていた。また、同社では経済産業省の外郭団体である財団法人の流通システム開発センターの「流通システム標準化事業」の共同実証へ参加したことで、業務効率化に向けた積極的なシステム対応が急務となっていた。

 パルタックでは、今後、流通BMS EDIによる接続企業を増やすことで、通信コストやアプリケーションメンテナンスコストの大幅な削減やさらなる伝票レスを目指すしている。

 流通BMSは、“国内で1つのEDI標準の策定”の考え方で、総合スーパー(GMS)/食品スーパー業界で主流の取引業務プロセスであるターンアラウンド型発注業務プロセスに基づいて策定された、EDI標準メッセージ。標準化の対象業務は、多くの企業によって使用されていて、標準化の効果が大きいと考えられる発注・出荷・受領・返品・請求・支払の6業務となっている。

 流通システム標準化事業は流通システム開発センターが、2003〜2005年度までで「流通サプライチェーン全体最適化促進事業」(流通SCM事業)を実施、その成果を実運用に移すとともに、利用企業の普及拡大を図るために2006年度からの3ヵ年で実施されている事業。2006年度までの活動を経て策定された標準仕様・ガイドラインが総称されて流通BMSとされている。

図 システムの構成図
※クリックすると拡大画像が見られます

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