OSS関連コミュニティーとの関わりやCICCのアジアOSS事業での人材育成によって、育った技術者たちがOSSを基盤にしたオフショアの開発企業となり、そこで開発されたアプリケーションが、日本SGIのSaaS事業のサービスメニューとしても提供していくことも検討できる。そしてそこから得られた利益は、人材育成に活用されるというサイクルである。
「このサイクルで得られる利益は、日本SGIの中に入ってしまうものではなく、サイクルを循環させるために使うのです」
日本SGIと高澤氏は、このサイクルが日本SGIという営利企業だけのものではなく、サイクルに参加するものすべてにとって、有益なものになることを狙っているのである。1999年に日本SGIに入社してから、これまでの8年間でLinux/OSSに携わってきた高澤氏は、Linux/OSSの大きな効用をこう話す。
「OSSは前面に出なくても、かなり強い、縁の下の力持ちとしてメリットをもたらしてくれます。だからこそ、このサイクルを回すことができるのです」