NECは10月10日、メモリデータベース(DB)を活用したスーパー・量販店向け業務パッケージ「DCMSTORE」シリーズの商品ラインアップを拡充、販売活動を強化していくことを発表した。
メモリDBは、メモリ上にデータを格納することで、更新や検索などのデータ処理中にディスクアクセスが発生しないために、従来のディスクを基礎にしたリレーショナルデーターベース(RDB)のシステムに比べて、50〜5000倍の高速データ処理が可能になるというもの。サーバに搭載できるメモリ容量の増大やメモリの低価格などに伴って、注目を集めている。
NECは、スーパー・量販店向けPOSシステム「DCMSTORE-POS」に加え、2006年2月に「DCMSTORE」シリーズを商品化。発注処理・仕入処理・売上処理などの基幹業務パッケージ「DCMSTORE-MD」、実データに基づく店舗での発注や棚割りなど支援する「DCMSTORE- SA」、レシートデータを基づいて商品分析する「DCMSTORE-DWH」を、小売業中心に納入してきている。
今回のDCMSTORE拡充では、顧客購買データをリアルタイムに分析してチラシやクーポンなどの販促効果検証を支援する「DCMSTORE-CRM」、量販店での衣料品の発注・販売・在庫をタイムリーに管理する「DCMSTORE-FMD」をラインアップに加えている。DCMSTORE-FMDは先行的に、スーパー大手のライフコーポレーションに導入、2月から稼動している。
ライフでは衣料品販売事業で、多店舗の販売情報を一元的に管理し、大量の購買データをリアルタイムに把握・分析することで、発注精度の向上、欠品・在庫の削減、バイヤーの作業不可軽減などを進め、(1)発注計画にかかる時間削減、(2)在庫削減、(3)購買・在庫管理業務にかかる工数削減を狙っているという。 NECでは、DCMSTOREシリーズの今後3年間で200億円の売り上げを目標としている。