リーダーという役割と仕事
そもそもプロジェクトリーダーの役割と仕事とは一体何だろう。
主にメンバーとして活動していた時には、考えもしなかったことがいきなり降りかかってきて、A君は困惑するばかり。彼は、まず来年出展するというイベントのホームページにアクセスして、そもそもどんなイベントなのかを調査することにしました。
しばらく調査していくうちに、イベントの概要は把握できたが、そもそも自社が
- どんな目的でそのイベントに出展するのか?
- どんな内容の展示を行うべきなのか?
と次から次へと様々な疑問が沸いてきました。
ふと不安に思ったA君は今わいてきた疑問を先輩に相談してみることにしました。
A君:先輩、今度のイベントプロジェクトの件、まだわからないことがたくさんあって……。相談にのってもらえますか? 先輩:ああ、いいよ。どんなことだい? A君:そう言われると一体何から聞いたらいいのか困っちゃいますけど……え〜と。 先輩:あははは……さすがに君もプロジェクトを任されるのは今回が初めてだからちょっと戸惑っているようだね。 A君:そうなんです。わからないことがたくさんありすぎて一体何から手をつけていいのやら……。 先輩:プロジェクトリーダーとして一番最初にやらなきゃいけないのは、まずそのわからないことを知ることだな。 A君:え? わからないことを知る……ですか? わからないことはわからないですよね……あれ? 先輩:プロジェクトというのはね。最初はほとんど情報がないのが普通なんだよ。正確に言えば、「ない」というより「きちんと整理されていない」といった方がいいかな。そもそも何のためにするのか? 何を目指せばいいのか? 何を実行すればいいのか? そういったことを全部きちんと定義していかなければならないんだ。そのためにはまず、今わかっている情報を集めていくこと。そうするとわからないことが徐々に浮き彫りになってくるんだ。 A君:まるでジグソーパズルのピース集めみたいですね。 先輩:お! いいところに気がついたね。プロジェクトで大事なことは全体像をまず先に描くことなんだ。全体像の中にすでに見つかったジグソーパズルのピースをはめていくと徐々に欠けているところがはっきりしてくる...そんなイメージかな。 A君:なんとなくわかったような気がしますが……。とにかくまずはわかっていることを整理して何がわからないのかを自分なりに考えてみることにします。 先輩:ああ、また何か困ったことがあったらいつでも相談してくれ。 A君:はい、ありがとうございます。先輩! |

プロジェクトは、「特定の目的」を果たすために実行される非ルーチンワークの業務だ。しかしながら、現実には「この特定」の目的さえ、明確に示されずに着手せざるを得ない状況が少なくない。
プロジェクトを任された場合は、この目的をはじめ様々な情報を整理しながら、その全体像を先に描き出すことが何よりも大切だ。これこそが、リーダーの仕事だと言えるが、そこをおろそかにしていると徐々に頭の中が整理できずに、日増しに混沌としてくるので注意が必要なのだ。

さらに、プロジェクトに関わる情報は実に膨大であり、一度には整理できない。 しかも、ジグソーパズルのピースのようにバラバラに存在しているので、まずはこれを一カ所に集めることが先決だ。そのためにも、全体像をいかに先に描き出すかというのが重要となってくるのだ。完成イメージのわからないパズルのピースを集めろと言われてもそれは不可能だからだ。