MIJSの参加企業を見ても、純粋な業務パッケージベンダーより、どちらかといえばこうしたミドルウェアやツールに代表される共通インフラのベンダーが海外展開についても積極的だと見ている。
製品連携のメリットは大きい
しかし同社としては、当面はオーバーシーズより、技術部会の製品連携がテーマだという。
「業務系パッケージでの海外展開のハードルの高さはよく知っています。オーバーシーズに関心がないわけではありませんが、むしろうちが関心あるのは製品連携です。現場では、MIJS参加企業の製品と連携を取るケースがよくありますので、われわれはMIJSが標準的なインターフェースを作るという活動に参加するメリットを十分感じています」
もちろん同社もロンドンやシリコンバレー、中国など海外に拠点は作っている。しかしこれは、海外に進出している日本企業の保守サポートや開発拠点としての活動が中心で、自らが積極的に海外展開するところまで行っていないという。
「やはり、言語、文化、制度に左右されない分野の方が強いわけです。ですから、まず業務ソリューションの分野でSAP、Oracleに負けないマーケットを日本において作ることが、海外展開より重要なことだと考えているわけです」
SAPやOracleは、なにも機能や品質だけで日本市場に攻めてきているわけではないという。純粋な製品力というより、たとえば国際会計基準のスタンダードを決定する会議などをリードし、そのようなグローバルスタンダード戦略と一体となって日本市場に攻めてきている。このため、国際連結会計などが必要なグローバルカンパニーは使いにくいと言いながら、海外のパッケージ製品を使っている。それは、逆に言えば、本来「日本で使うなら日本で作られたソリューションが一番使いやすいはず」ということの裏返しでもあると考えており、まずは、そのマーケットを日本で確立し、守り、それをベースに海外を視野に入れることが大切だという。
MIJS技術部会の活動の中心人物は、同社のグループ会社で、中堅・中小企業に向け業務支援システムを提供しているエルムの東日本ビジネスソリューション事業部 事業部長代理の兵藤浩氏である。同氏が言う。
