もちろん、JBCC以外にも声をかけたが「JBCCが一番きちんと提案してくれた」というのが選定の理由。「担当してくれた人がよかった。最後までやってくれるような安心感があった」と評価は高い。
「初モノはトラブルが予想される中で、どこまでやってくれるかがポイントだった。マイクロソフトも相当のサポート体制を作ってくれた。前例がないので、はじめは期待したようなレスポンスも出なかったが、サイジングなども含めよくやってくれた」
Outlookと一緒にCRMを稼働させ、しかもクライアントは全国の営業担当者のB5サイズのノートパソコン。当初はレスポンスをはじめ、サーバのサイジングやどのように分散させるかで苦労はあった。
「全国12支店が対象だが、サーバは東京のデータセンターに集約した。当社はけっこうアナログの会社なので、支店ごとにサーバを置くのは管理面からしても大変だ。パフォーマンスはよいかも知れないが、コストもかさんでしまう」
結果、導入決定から半年ほどで稼働にこぎ着けた。最初の3カ月で開発、残りの3カ月で教育、本番稼働というスケジュールだった。
教育が一番大変だったというが、最初はトップダウン方式で、レポートもDynamics CRMで報告する形にした。また、Dynamics CRMに反映されていない案件は、案件として認めないという強硬手段もとった。
「営業にとって一番大切なのは受注。Dynamicsを使うことで仕事が取れると思えば皆使うようになる。仕事をしているかいないかがスケジュールで全部わかってしまうが、それを営業が便利と思えば使い始める。CRMはボトムアップでは絶対普及しない。だからこそトップダウンでやった」
CRMでダウントレンドから回復トレンドへ
Dynamicsの使い方は、SFAが中心だという。これを使って営業進捗や案件管理、訪問件数などもチェックしている。
「私は、CRMを直接見るというより、CRMから出てきた支店単位の訪問件数や受注の引き合い総額などのサマリーデータを見ている。時には、気になっている大型案件やトラブルのある案件などをOutlookからひもづけてCRMで見ることもある。支店長らは案件をよく見ているようだ」