ガートナージャパンは5月28日、新たな年間会員制サービス「ジャパン・コア・リサーチ・アドバンス」の提供を開始したと発表した。
ジャパン・コア・リサーチは、同社が2003年から提供している企業顧客向けサービスのひとつで、ガートナーによるさまざまなリサーチデータなどを有償で参照できるもの。本日発表されたジャパン・コア・リサーチ・アドバンス(JCORアドバンス)は、その上位版にあたる。テクノロジーテーマだけでなく、顧客企業における担当者の果たすべき業務ロール(役割)に特化した形で、リサーチ、洞察、アドバイスの提供を行うものだ。
ガートナーでは2006年よりワールドワイドで、CIOおよびシニアITエグゼクティブを支える8つのロールに対するサービスの提供を行っているという。この8ロールは「ITインフラストラクチャ&オペレーションズ」「セキュリティ&リスクマネジメント」「エンタープライズ・アーキテクチャ」「ソーシング&ベンダーマネジメント」「BI&インフォメーションマネジメント」「アプリケーションマネジメント」「ビジネスプロセス改革」「プログラム&ポートフォリオマネジメント」とされており、日本ではまず、「ITインフラストラクチャ&オペレーションズ」および「セキュリティ&リスクマネジメント」の2ロールよりスタートする。この2ロールについては、日本の企業顧客に対するヒアリングで特に要望が高かったためという。
サービスレベルには「リファレンス」と「アドバイザリ」の2種類がある。「リファレンス」は、5日ごとに更新されるウェブサイトから、ガートナーの担当ディレクターが選別した情報やリサーチ分析レポートを日本語で取得できるものだ。「戦略策定」「計画/構築」「最適化」といった各フェーズごとに、各ロール担当者にとって有用なコンテンツが提供されるという。一方、「アドバイザリ」では、リファレンスの内容に加え、専任のアナリストが対面、電話、メールなどで質問に答えるサービスが利用できる。また、同社主催のカンファレンスへの参加が可能となっている。
ガートナージャパン、代表取締役社長の日高信彦氏は、JCORアドバンスの提供に関して、企業がITプロジェクトの成功を左右する決定に費やせる時間は短くなり、一方でそのために収集すべき情報の専門性はさらに深くなっているという現状を指摘。「テクノロジーテーマだけでなく、果たすべき業務ロールに役立つリサーチが求められている。JCORアドバンスでは、ITリーダーがより効率的に業務をこなし、成功できる方法論に注力した情報、アドバイスの提供を行っていく」とする。
JCORアドバンスは年間契約となる。参考価格は200万〜500万円前後で、サービスの内容により異なる。また、他の6ロールの日本での提供時期については、顧客からのフィードバックを得つつ検討を進めるという。