ターボリナックス、クライアント向けLinuxの新版を発表--USBブート、Atomにも対応

CNET Japan Staff

2008-06-10 20:59

 ターボリナックスは、クライアント向けLinux OSの最新版「Turbolinux Client 2008」を8月8日に発売すると発表した。

 同社によるデスクトップOSのメジャーリリースは、2005年11月に発売された「Turbolinux FUJI」以来となる。これまで、コードネーム“Magny-Cours”として開発されてきたものの製品版にあたり、新規に仏Mandrivaとの共同開発による「Manbo Core」を搭載することで、より安定性の高いデスクトップLinux環境を提供するという。

 また、Turbolinux Client 2008では、製品の販売形態も一新され、「ネットユーザーパッケージ」「フルディスクパッケージ」「オンラインプロダクトパッケージ」の3つのパッケージが用意される。8月8日に発売される「ネットユーザーパッケージ」は、OSの基本機能とメールやウェブブラウザといった基本的なアプリケーションを含む「LiveCD」に、商用アプリケーションのダウンロード権が付属するものとなる。

 LiveCDでは、CD単体でのOSの起動が可能だが、ハードディスクへのOSインストールもできる。インストール後にインターネット経由でダウンロードできる商用アプリケーションには、ジャストシステムの日本語入力システム「ATOK X3 for Linux」、リコーのTrueTypeフォント、サン・マイクロシステムズのオフィスアプリケーション「StarSuite」、Turboメディアプレイヤー、Wizpyコンテンツダウンローダーなどが含まれる。「ネットユーザーパッケージ」の価格は9800円。

 商用アプリケーションもディスクメディアで提供される「フルディスクパッケージ」(予価1万2800円)と、すべてをネット経由で提供する「オンラインプロダクトパッケージ」(予価7800円)については、9月の発売が予定されている。また、Live CDのイメージファイルについては、同社サイトでの無償配布も行う。

クライアント向けTurbolinuxの集大成

 Turbolinux Client 2008ではハードウェア対応も強化されており、ブート用USBの作成やタブレットPCでの利用も可能。また、インテルの省電力プロセッサ「Atom」への対応により、MID(Mobile Internet Device)、UMPC(UMPC)と呼ばれるモバイル機器での利用も快適に行えるとしている。

 企業のクライアント環境向けの機能強化としては、TOMOYO Linuxの搭載によって、セキュリティポリシー管理を可能としている。さらに、個々のユーザー企業の利用環境に合わせたOSのカスタマイズにも応じるという。不具合修正やセキュリティアップデートといったサポートサービスは3年間(2011年8月まで)の基本サポートと4年間の延長サポートを合わせ、7年間を保証する。

 ターボリナックス、代表取締役社長の矢野広一氏は、発表会において「機能的にはクライアント向けTurbolinuxの集大成と言っていい製品」と、新バージョンの完成度に自信を見せた。

 「Turbolinux Client 2008によって、より多くの人にLinuxに触ってもらう機会を作りたい。クライアントからLinuxに触れ、将来的にサーバを抵抗なく利用してもらえれば、ビジネス的にも十分なメリットになる」(矢野氏)とする。

Turbolinux Client 2008 企業のクライアントとしても、コンシューマー用としても必要十分な機能を備える「Turbolinux Client 2008」。LiveCDのイメージは無償で配布される。(写真はパブリックベータ版による)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Pマーク改訂で何が変わり、何をすればいいのか?まずは改訂の概要と企業に求められる対応を理解しよう

  2. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  3. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  4. セキュリティ

    2025年はクラウドを標的にする攻撃が増加!?調査レポートに見る、今後警戒すべき攻撃トレンド

  5. セキュリティ

    最も警戒すべきセキュリティ脅威「ランサムウェア」対策として知っておくべきこと

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]