インターコムは7月16日、デジタル複合機から給与明細書などを取得できるWindowsPC向けソフトウェア「Web 給金帳 V2 for imagio」シリーズを7月25日から発売することを発表した。価格は50クライアントで39万3750円から、となっている。
インターコムでは、デジタル複合機「imagio」シリーズを開発するリコーと連携、リコーの「Operius開発パートナー」として、リコーの技術協力のもとに開発された。同ソフトは、企業の各拠点に設置されたimagioを情報端末として、給与明細の配信を可能にするものだ。
給与計算担当者がWeb給金帳の導入されているPCで、給与ソフトで管理するデータベースから必要なデータを受け取り、自動的に明細書のPDFファイルが作成され配信サーバに転送される。受給者はインターネット/イントラネットに接続された複合機のタッチパネルからIDとパスワードを入力することで、配信サーバにログインし、その後、画面の指示に従って取得したい月を選択することで、明細書をプリントアウトできる。
同ソフトウェアを利用することで、明細書作成から配布の過程を電子化・自動化できる。これにより、給与業務における専用明細書への謄写印刷・封入・封かん・仕分け・配送などの一切の作業が不要になる。また、専用プリンタの保守費用や専用帳票のサプライコスト、郵送費、作業にかかる人的コストなど給与業務に関連するコストを削減できる。
複合機による配布の利点としては、受給者本人が複合機のタッチパネルの画面からIDとパスワードを入力して明細書を取得できることから、他人に間違えて配布されること、配布の過程で紛失するなどの事故も防ぐことができる。
複合機による明細書配信と併用して、会社や自宅のPCに対して明細書のPDFファイルをメール配信することや、携帯電話へ明細内容をメール本文形式に自動変換して配信することもできる。また、PCや携帯電話から専用ウェブサイトにログインして、明細内容を閲覧することもできる。受給者の環境や要望に合わせた運用が可能になっている。
Web 給金帳 V2 for imagioは、オービックビジネスコンサルタント(OBC)の「給与奉行」シリーズ、ピー・シー・エー(PCA)の「PCA 給与」シリーズ、応研の「給与大臣」シリーズ、大塚商会の「SMILEαAD 給与管理」シリーズに対応している。
2007年1月に、所得税法の改正で給与・賞与明細、源泉徴収票の電子交付が認可されている。これ以降、企業のコスト削減や業務効率化の一環として、明細書電子配信システムが普及しつつある。だが、既存の明細電子配信システムは、PCや携帯電話を配信先としているために、「1人1台PCが行き渡っていない」などの理由から導入を断念せざるを得ないケースもある。
今回のWeb 給金帳 V2 for imagioの開発は、事務所に広く普及しているデジタル複合機に注目して、受給者の誰もが“銀行のATMのような操作”で容易にいつでも好きな時間に明細を受け取れるシステムとして、進められた。