MicrosoftはWindows VistaとMicrosoftを「クール」に見せることを意図した消費者向けの新しい広告キャンペーンを作り出すために費やした3億ドル以上の成果をいまだに披露していない。しかしその間、何人かのブロガーが議論に加わり、これまでMicrosoftの支持者がオペレーティングシステムの話題をAppleから「取り戻す」ためにやるべきだと主張していたこととは反対の内容をMicrosoftにアドバイスしている。
Houston ChronicleのDwight Silverman氏は米国時間7月14日、「Microsoftへのメモ:クールになるな」と題する優れた記事を投稿していた。そのなかでSilverman氏は、Rubicon Consultingのトップであり、1987〜1997年にさかのぼりAppleのマーケティングディレクターを務めたMichael Mace氏による記事へのリンクを示した。
Mace氏は10年以上Apple陣営からは離れているが、同氏もまたMicrosoftに対してちょっとしたアドバイスがあった。詰まるところ「Appleに煽られないように」というものである。Mace氏は以下のように指摘した:
「私がAppleにいたころ、競争力あるチームの中心的目標のひとつは、MicrosoftとIntelを煽り、公の場でわが社を彼らのターゲットとさせることであった。わが社は彼らを苛立たせるためのあらゆる策略を駆使した。「Pentiumにバグがあればクラクションを鳴らせ」と書かれたバンバーステッカーを印刷した。彼らをオンライン上の議論でしつこく追いかけた。記者やアナリスト向けのツアーを実施してWindowsで発見されたありとあらゆる困った欠点を指摘した。
「要するにその狙いは、彼らがあまりに頭にきて、公の場でわれわれに食ってかかるように仕向けることであった。市場リーダーが挑戦者を攻撃すれば、挑戦者の信ぴょう性は高まるだけ、ということをわれわれは知っていたからだ。」
これまでのところMicrosoftはVistaに関してはこのアドバイスに従っている。その結果は?AppleはMicrosoft以上にVistaについて語ってきた。まあ確かにそれは誇張かもしれない。しかし、Appleの「I’m a Mac/I’m a PC」のコマーシャルが、多数の無頓着なWindows PCユーザーに、すべてのVista情報を提供して、彼らがそれを吸収した、といっても過言ではない。
それではMicrosoftは何をすべきか?筆者はMicrosoftがAppleに反撃すべきだと主張してきた。それも同社が柄にもなく自虐的なユーモアを使うと好ましいと思っていた。しかし今では、そうすればMicrosoftがAppleの思うつぼになるかもしれないと考え始めている。
(筆者はMicrosoftが「Office」で同様の風刺的なキャンペーンを使って、Google Docs/Appsが Officeの市場シェアを破壊するという神話を攻撃することは有用かもしれないと考えてきた。しかしここでもまた、そのような動きは、Googleがまさに望むような動きとなるのではないかと考え始めている:ちょうど少年ダビデの投石が痛む場所に直撃したことを、巨人ゴリアテが認めているようなものだ。)
Microsoft帝国はAppleまたはGoogleに反撃すべきか?あるいはMicrosoftが引き続き(少なくとも公には)競争業者を厳しく批判しないという意味で、王道を進んでいるのは正しいことなのか?
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ