今回のGRANDIT導入・活用について、川重原動機工事の業務部で課長を務める山口幸一氏は「ベニックソリューションから、『保守が難しくなった。GRANDITに乗り換えませんか』という話が出てきたのが、最初のきっかけ」と、その経緯を語る。
山口氏自身も川崎重工からの出向者で、川崎重工では外国製ERPを使っていた。しかし、グループ会社である川重原動機工事には、専門の情報システム部門がない。どうしても、運用保守を行っている企業から「保守が限界」という話を聞けば、新しいシステムに乗り換えざるを得ない。

「川崎重工で使っていた外国製ERPに比べると、MyC/SはExcelにデータが落としづらいし、全体を検索するのが難しい。正直、こんな非効率なことはよくないということがたくさんあったのです。そこで、検索性に優れた、使いやすいものであれば導入したいと思っていました。そんなときに、こんな便利なものがありますということで、GRANDITを紹介されたのです」
GRANDIT導入にあたっては、システム化の適用範囲や利用範囲も拡大。試行錯誤を繰り返し、2006年4月に本番稼働に移行した。
もう1社の川崎エンジニアリングは、カワサキプラントシステムズの100%出資で、川崎重工から見れば孫会社にあたる会社だ。事業のひとつの柱は化学、製鉄、医療機器などのプラント系機械装置の製造。そしてもうひとつは川崎重工の各工場に営業所を構え、工場の図面のコピーサービスなどを行う印刷複写事業。従業員は約130人だ。
「当社はMyC/Sのファーストユーザーでした。つまり、MyC/Sは当社の仕様に合わせて作ったところがあり、使い勝手は非常に良かったのです。しかし、すでに使って10年くらい経っており、OSが変わって限界に近い状況になっていたようです。そこで、時代に乗り遅れないようにと思い、GRANDITに切り替えました。最低限、MyC/Sでできることができればいいと思っていました」

同社管理部の管理・経理グループ長である参事の久保清弘氏の言葉だ。 そこで、GRANDITに移行するときも、MyC/Sをモデルに仕様を決めていった。同社は川重原動機工事の1年後、2007年4月に本番稼働を迎えている。「次の世代に対応できるというのがGRANDITへ切り替えた最大のポイント」という。