Linuxの初期費用は安いかもしれないが、長期にわたれば、多数のPCを新興市場の学校に配備する顧客のTCO(total-cost-of-ownership)はWindowsとLinuxではほぼ同じとなる。
これはMicrosoftがスポンサーとなった最近のVital Wave Consultingによる調査の結論である。Microsoftはこの結論を同社のUnlimited Potential(UP)ブログの新しい記事で宣伝している。
この34ページの報告書に関するブログエントリは、ペルーがWindows XPをプレロードした「One Laptop Per Child(OLPC)XO」マシンの出荷を受け取る最初の顧客となったことをMicrosoftが発表したわずか数日後に登場した。Microsoftはこの夏に入り、XPのOLPCへのポートのテストと開発を完了していた。
「The Real Problem With Windows AND Linux In Emerging Market Education」と題する記事のなかで、UPのMarketing and Communicationsのジェネラルマネージャーを務めるJames Utzshneider氏は次のようにブログで述べている:
「多数のPCを新興市場国の学校で配備する際にLinuxがWindowsよりコスト面で有利かどうかを理解したかった。この(Vital Waveの)調査では、このような種類のシナリオにおいては、両オペレーティングシステムのTCOがほぼ同じとなることを示した。Windowsシステムの初期購入価格はわずかに高いが、これは中国や南米といった地域でLinuxの技能をもつシステムアドミニストレータに必要とされる給与が高いことにより相殺される。したがって5年間経つと、学校システムが多数のWindows PCとLinux PCを配備、維持するコストの総額はほぼ同じになるのだ。」
Utzschneider氏はこのように続けた:
「私にとっては、この調査から得た大きな驚くべき発見は、貧しい国々の学校の研究室にWindowsやLinuxを配備するコストがほぼ同じであるということよりも、それを実施するためにオーナーが必要とする5年間のコストが約2,700ドルであるという点である。」
Utzschneider氏は、電気、訓練、修理、インフラの問題によるコストがすべて、この受け容れがたい数字の原因となっているという。同氏によると、Vital Waveの調査は、この混乱を制御するのを助けるためのいくつかの解決策を提案しているという。これにはサーバの導入を通して管理やオートメーションを拡大することが含まれている。
これまで、Microsoftは主にWindows PCとWindows Mobileフォンを新興市場に導入することに注力してきた。しかし今週、MicrosoftのWindows Server and SolutionsのコーポレイトバイスプレジデントであるBill Laing氏は私に、新興市場の顧客向けに特別にあつらえたWindows Serverのコンフィギュレーションの類を導入することが道理に適っているかどうかを、同社は評価しているところだと述べていたばかりであった。
どうなることやら…ひょっとしたら「OSPS(One Server Per School)」がLinuxとWindowsの新興市場分野における次なる戦場となるかもしれない…。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ