Microsoftが先週新しく無料のアンチマルウェアサービスを計画していること――そしてWindows Live OneCare製品を廃止すること――を発表したときに、顧客、パートナー、業界観測筋の間では新たな疑問がたくさん浮かび上がった。
市場シェアという意味ではWindows Live OneCareは大成功を収めていたわけではないが、Microsoftは通常その製品やサービスを廃止する前に少なくとも3回のリリースを提供する。そしてOneCareの3.0リリースは目前に迫っていた――実際にMicrosoft Updateチームは10月末に顧客はまもなくそれを目にするはずだとブログで述べていたのだ。
それではMicrosoftがOneCareを廃止する判断をこれほど早急に下し、それを配布チャンネルから急遽引き上げることにした原因はなんだったのか?Microsoftはいつ、または具体的になぜこのような判断が下されたのかについてはコメントしていない。同社はただ、もっと軽量の無料ソリューションのほうが当地および途上国のより小型のフォームファクターのPCユーザーにとって最適であると考えたと述べるだけである。
この数日、筆者はMicrosoftにOneCareの消滅とMorroの突然の登場(先週に入るまで筆者が話をした範囲では、このコード名とサービスをちょっとでも聞いたことがあるという人はいなかった)について、いくつかの質問をする機会があった。
以下がもう少し詳しい情報である(筆者からの質問とMicrosoft Windowsチームの広報担当者からの回答だ):
Q:OneCareについて誰かにMSを提訴する(反トラストまたはその他で)と脅かされていたのか?Microsoftがこの製品を中止する理由はそのためか?
A:OneCareの販売を中止し、コード名を「Morro」と称する無料のアンチマルウェア製品を配布するとの決定は、健全なビジネス上の理由によるもので、なんらの法的な懸念や訴訟などにより促されたわけではない。
Q:Morroは米国だけでなく海外のユーザーにも提供される予定か?
A:少なくとも新ソリューションは最初にWindows Live OneCareが現在提供されている全ての市場の消費者に提供される。これはまた追加料金を必要とせずに広範にダウンロードが可能となる。このソリューションの提供がもっと近づいたときに、さらなる詳細を発表する予定だ。
Q:MorroがWindows Liveサービスとなるかどうかは、まだわからないか?
A:このソリューションの提供がもっと近づいたときに、もっと詳細を発表する。
Q:MorroはWindows Live Essentialsスイートのように、オプショナルのダウンロードとなるのか?(それともこのスイートの一部として含まれるのか?)
A:この新しいノーコストのソリューションは別のダウンロードとなり、追加料金なしでダウンロードによる入手が可能となる。現時点ではこれ以上付け加えることはない。
(一部の評論家とは異なり、筆者はMicrosoftが無料のアンチマルウェアソフトウェア/サービスを提供することで反トラストに基づく苦情で打撃を受けるとは思っていない。ほかのベンダーもすでにこれを提供しているからだ。もしMicrosoftがMorroをWindows Live Essentialsスイートの一部として盛り込み、Windows 7の一部としてMorroサービスへのリンクを提供するなら、同社が法的問題に直面する可能性が高まるかもしれないとは思う。そうは言いながら「IANAL」(結局私は弁護士ではない)のである。)
Q:Morroは「Windows Defender」とともに動作するのか?それはDefenderに置き換わるのか?Defenderは引き続きWindows 7の「一部」として含まれるのか?
A:この発表がDefenderに影響を及ぼすことはない。Windows Defenderは既知のスパイウェアだけを検出し、除去する。Windows Defenderは悪意のあるソフトウェアから完全に保護するものではない。とくにウイルス、ワーム、トロイの木馬、その他のマルソフトウェアがマシンに感染するのを防止しない。この新しいノーコストのソリューションは包括的なアンチマルウェアソリューションとなる。
このほかにOneCareとMorroについて疑問に思っていることはありますか?
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ