Microsoftの最高経営責任者(CEO)、Steve Ballmer氏が、Microsoftが自社CRMコアエンジンを土台とした新しいプラットフォームを構築していることについて初めて触れたのは2年前のことだ。その後、この技術についてMicrosoftから具体的な情報を得るのは、簡単なことではなかった。この技術は当初、「Titan」プラットフォームといわれていたが、現在「xRM」と呼ばれている。
だが、Salesforce.comが「Force.com」を強力にプッシュしていることから、Microsoftはやっと、xRM、それに自社クラウドプラットフォーム「Azure」の一部としてMicrosoftがホスティングするバージョンの位置づけに関する計画を率直に話すことにしたようだ。
Microsoft技術を多少なりとも調べたことがある人なら、Microsoftという企業が「プラットフォーム」と言う言葉を好んで使うことを知っているだろう。Microsoftの幹部は、スタンダロン技術を取り出して、開発者のエコシステムに組み込む方法を見出すことを他の何よりも好む。これにより、提携している再販事業者やISVに対し、Microsoftのスタック上にあるその技術レイヤで動くアプリケーションを作成するよう奨励できる。
MicrosoftでDynamics CRMとXRMの製品マーケティングを世界レベルで担当するディレクター、Bryan Nielson氏は、xRMは「すべての関係を管理する」プラットフォームと説明する。この上で、数百社ものパートナー企業、ISV、そして顧客が「Microsoft Dynamics CRM」を支援するコア技術スタックを使って作成しているLOB(業務アプリケーション)が動くという。Nielson氏によると、xRMを使って構築したLOBには、人事管理システムをはじめ、さまざまな種類があるという。
Nielson氏によると、顧客の中には、自社アプリケーションの統合をxRM上で行うことで、カスタマイズと管理を容易にしているところもあるという。これは、アプリケーションが.NETベースのプラットフォームという共通土台を持つために、実現可能となる。また、xRMを利用してCRMの拡張機能を構築する顧客もあるという。そのほかにも、ユーザーの中には、Dynamics CRMを「オフ」にしてxRMのコアだけを使って他のアプリケーションを作成・保守しているところもあるという。これにより、レガシーアプリケーションへの依存を緩和することができる。
今週行ったNielson氏と同氏のチームとのミーティング中に学んだxRMの要素の中で、私がもっとも興味深いと感じたのは、Azureとどのようにフィットするかの部分だ。
Microsoftが2008年秋にAzureをローンチしたとき、同社の幹部が、「Red Dog」(Windows Azure OS)上にのるサービスレイヤの一部となる次期「SharePoint Services」と「Dynamics CRM Services」について、短く触れていたことを覚えていらっしゃるだろうか?Nielson氏のチームによると、この神秘的な「Dynamics CRM Services」は、実は、「xRM Application Services」であり、同社のスライドウェア作成チームは、この図をアップデートすることになっているという。
これが顧客やパートナー企業に何を意味するのかというと、Microsoftが今年の秋にAzureサービスを正式にローンチすると、Microsoftのクラウドで関係管理アプリケーションをホスティングする機能もライブになるということだ--Ballmer氏が2年前にそれとなくほのめかしていたことだ--。このxRMホスティングサービスは、Force.comや、その他の「プラットフォーム・アズ・ア・サービス(PaaS)」に対するMicrosoftの回答ということになる。
Microsoftの顧客やパートナー企業で、MicrosoftのxRMプラットフォーム・アズ・ア・サービスに興味がある人はいますか?どのような機能、または価格なら検討すると思いますか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ