ビル・ゲイツ氏引退から1年、何が変わったのか?

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:末岡洋子

2009-06-30 10:34

 ちょうど1年前(正確には2008年6月27日)、Microsoftの会長Bill Gates氏が、フルタイムの責任ある立場から退いた。あれから1年、Microsoftはどれぐらい変わったのか?

 これは、簡単には答えられない質問だ。Gates氏なら、最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏が現在推進しているようなコスト削減対策をプッシュしただろうか?Gates氏が表に立っていた場合、Microsoftがこの1年に行った数多くの和解は実現しただろうか?「Azure」計画/戦略に取り組んだだろうか?(競争を公式に認めたがらないGates氏の性質を考慮すると)Gates氏は、Appleをターゲットにした「Laptop Hunter」広告キャンペーンにゴーサインを出しただろうか?

 この1年、数多くのBillの仲間(FOB;Friends of Bill)がMicrosoftを離れた。Microsoftはまた、エンタープライズと/あるいは開発者だけではなく、コンシューマブランドとしての地位を築くため、多くのエネルギーとお金を注いだ。社内では、新規事業(検索、広告、Xbox、Zune)と高収益事業(Windows、Office、ツール)が対立し、分極化しているようだ。

 チーフソフトウェアアーキテクト、Ray Ozzie氏はこの1年、表舞台に出ていくつかのスピーチを行った。だがOzzie氏は、ハイテク業界において、以前のGates氏のような存在を確立していない(Ozzie氏のスピーチを一度でも聞いたことがあるなら、Ozzie氏の考えをすべて聞いたといえる。Ozzie氏は、相互運用性のあるクロスプラットフォームとウェブ中心の世界を信じていると明確に述べているが、これを現実にするにあたってのMicrosoftの計画となると、具体的なことをほとんど明かしていない。多くのMicrosoftの人間が、Ozzie氏はMicrosoftという巨大な船の方向を変えるために、背後で多くのことをしていると言っている。だが、Microsoftの数人の社員、そして社外の人にとって、Ozzie氏は相変わらずなぞの人物だ)。

 今後数カ月間、Microsoftは「Microsoftの歴史上最大のローンチの嵐」を迎える。「Windows OS」「Office」「Windows Mobile」「Visual Studio」の各製品の最新版が登場し、Zune HD、Natal Xboxコントローラ、クラウド運用環境Azureの「正式版」のローンチも控えている。Gates氏がフルタイムで関わっていなくても、Microsoftの新製品開発のスピードは鈍化していないようだ。

 Gates氏がいまでも主要なスピーカーでチーフソフトウェアアーキテクトを務めていれば、Microsoftはいまよりも強く手ごわい企業として映っただろうか?それとも、Gates氏がMicrosoftを離れ、新しいアイディアや血をとりこむべき時期だったのだろうか?

 これについて、私は結論が定まらない。Gates氏が引退して1年、Microsoftは強くなったのか?それとも、変わらないのか?

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ

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