日本HP、BI導入で悩む企業に応えるコンサルティングサービスを開始

大川淳 2009年07月14日 20時40分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は7月14日、企業のビジネスインテリジェンス(BI)活用を支援するためのコンサルティングサービスの提供を開始すると発表した。導入の計画立案から導入後の活用までを包括的に請け負い、基盤となるハード、ソフトのほか、さまざまなサービスも扱うことにより、BIの全体最適化を促進するBIソリューションを提案する。主として、大手企業に照準を合わせ、BI領域の事業拡大を図る。

 今回の新サービスは基本的に、「BI戦略と管理サービス」「エンタープライズデータ管理サービス」「パフォーマンス管理と分析サービス」の3つから構成されている。

日本HPが提供するBIコンサルティングサービスの全体像
日本HPが提供するBIコンサルティングサービスの全体像

 「BI戦略と管理サービス」は、企業の全社的なビジネス戦略に準じるとともに、ビジネス部門とIT部門、双方の視点の均衡をとった上で、詳細な実行プランと行動の優先順位付けを行い、ビジネス部門が重視する戦略や目標に合致したBI活用の遂行計画を策定する。

 ここでは、問題解決のため、同社が開発した「BI成熟度モデル」を活用する。このモデルは、「ビジネス」「IT」「戦略とプログラム管理」の3つの視点で、企業のBI導入進捗度を計測する尺度となるもの。たとえば「ステージ1」では、部分的な適用、「ステージ2」では用途別ソリューション、「ステージ3」では資源の共有化、というように「進捗度」を区分している。この尺度を使うことにより、各企業のBI活用の実態を把握、それぞれの段階に応じた対応ができる。同社によれば、国内企業の4分の3は、全部で5つあるステージのうち、「ステージ2」や「ステージ3」の段階に留まっているという。新サービスでは、「BI成熟度モデル」による診断結果を基に、BI実行計画を貫く全体の青写真となる「マスタープラン」を作成する。

 「エンタープライズデータ管理サービス」は、企業内の情報サイロ化を解消し、全社でのデータ統合を実現することを機軸として、「情報戦略とガバナンス」「マスターデータ管理」「情報品質管理」の3つのサービスから構成される。

 「情報戦略とガバナンス」では、データの品質、可用性、整合性、監査性、機密保持性の維持を担う組織体制の確立、役割分担の明確化、運用の原理原則の定義によって、複数部門間で管理するデータの重複排除、柔軟性の確保、情報の「見える化」の推進といった施策で、コスト削減と同時に、業績に直結する意思決定支援を可能にする運用環境の構築を目指す。

 「マスターデータ管理サービス」は、組織や業務システム間で扱う共通のマスターデータの一貫性を保つために、その収集、管理、保管のプロセスを定義し、必要なシステムを構築する。これにより、マスターデータの唯一性が保持され、高信頼性が確保されるとする。このサービスの利点は、企業内だけでなく、外部との業務連携が容易になることともに、データ管理にかかる労力や費用が削減できることであるという。

 「情報品質管理サービス」は、情報の品質を高め、また、その高さを維持するために必要な組織・プロセス・手順と、データの不具合を継続的に発見、監視、報告、改善できるシステム的なアーキテクチャを定義する。これにより、あらゆるデータの出所、責任範囲、品質管理手法が規定され、データの信頼性が高くなるほか、部分的なデータの書き換えがシステム全体に与える影響を事前に予測することなどができるようになる。

 「パフォーマンス管理と分析」は、組織がパフォーマンスを管理するために必要な指標の策定、管理プロセスの策定、分析のためのしくみを構築する。企業情報から洞察を引き出せるよう、前兆分析、データマイニング、予測といった、多様かつ高度な分析の実施を支援する。

山口太氏 HPソフトウェア・ソリューションズ統括本部BIS事業本部長の山口太氏

 日本HP、HPソフトウェア・ソリューションズ統括本部BIS事業本部長の山口太氏は「BIは大規模なデータを扱うようになり、高パフォーマンスが要求されるほか、分析の専門家だけでなく企業内の一般ユーザーにも利用されるようになっている」と、BIを取り巻く課題が変化していることを指摘。分析/評価手法の高度化、一層の高性能化が求められる中、「BI基盤間のマスターデータ不整合」「データ品質の確保」「情報に対するガバナンス」などが課題として浮上してきているとした。同社では、今回のコンサルティングサービスが、これらの課題に対する回答であるとしている。

 今回発表されたサービスは、2006年に米HPが買収した、BI専業コンサルティング会社である米Knightsbridgeの技術を基盤にしている。

 同社HPソフトウェア・ソリューションズ統括本部BIS事業本部BIソリューション部シニア・アーキテクトの羽田宏氏は「このサービスでは、Knightsbridgeの技術と、同社の買収以前からHPがもっている方法論を融合しているとともに、全世界で2800人以上に上るBIコンサルタントや世界5カ所にある開発センターを活用できる。また、HPはハードからソフト、サービスにいたるまで、ワンストップでソリューションを提供できる。さらにパートナーとの協調で、BIツールやETLツールをはじめ、最も良好な組み合わせでソリューションを整えることができる」と語り、BI関連サービス領域での、同社の優位性を強調した。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連キーワード
開発

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
より賢く活用するためのOSS最新動向
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算