Microsoftは米国時間7月14日、自社クラウドコンピューティングプラットフォーム「Windows Azure」の商用提供を11月に開始することを認めた。合わせて、Azureのコンポーネント--土台となるOS、ホスティングデータベース、メッセージングサービス--の価格も発表した。
Microsoftは予想通り、「Worldwide Partner Conference」の14日の基調講演にて、Microsoftおよび同社パートナーのデータセンターでアプリケーションをホスティングする顧客向けの価格を発表した。Microsoftはまた、同社が提供するプライベートクラウドの位置づけについても語っている。
以下は、Windows Azureブログに掲示されているAzure価格体系だ。
Windows Azure
- コンピューティング:1時間12セント
- ストレージ:1GBあたり15セント
- ストレージトランザクション処理:1万件あたり1セント
SQL Azure
- Web Edition:9.99ドル(最大1GBのリレーショナルデータベース)
- Business Edition:99.99ドル(最大10GBのリレーショナルデータベース)
.NET Services
メッセージング10万回あたり15セント(Service BusメッセージとAccess Controlトークンを含む)
3サービス共通で、帯域使用量として、受信10セント、送信15セント(ともに1GBあたり)が必要となる。
Microsoftは、Azureは従量ベースで課金すると繰り返し強調している。コンピューティング時間は、アプリケーションが実装されてから課金が始まるのであって、開発やテスト期間は含まれないという。そのため、顧客に対し、「使われていないコンピューティングインスタンスを取り除き、課金対象を最小化するように」とアドバイスしている。
アップデート:Microsoftは米国時間7月14日、サービス品質保証(SLA)の詳細についても、Azureブログに掲示した。以下に引用する。
パートナー企業と顧客の複雑なビジネス要求を支援するため、われわれはSLAを付けたエンタープライズ級の保証を提供する。このSLAは、アップタイム、接続性、データ可用性をカバーするものだ。コンピューティングでは、2つ以上のロールインスタンスを異なるフォルトに実装し、ドメインをアップグレードする場合、インターネット側のロールに対して最低でも99.95%の外部接続を保証する。さらに、Microsoftは個々のロールインスタンスをモニタリングし、ロールインスタンスのプロセスが動いておらず、修正に向けてのアクションを開始しない場合は、2分以内にこれを検出する。ストレージでは、データの追加、更新、読み込み、削除などの要求について、受け取った要求のうち正しくフォーマット化されたものに対する処理を最低でも99.9%実現することを保証する。また、ユーザーのストレージアカウントがわれわれのインターネットゲートウェイに接続されていることを保証する。
Microsoftがホスティングのほとんどを行うわけだが、Microsoftは再販パートナー各社がAzure事業において阻害されたと感じないよう、注意を払っている。WPCでMicrosoftは、パートナー企業にWindows Azure、SQL Azure、.NET Servicesで5%のプロモーション割引を実施することを発表した。
アップデート:The Register(Reg)に、MicrosoftとAmazonの従量課金価格を比較分析した記事が掲載されている。これによると、Microsoftの価格はわずかにAmazonを下回っているようだ。だが、Regが予想しているように、Microsoftが最初の3カ月以上を無料にするとは私には思えない。Microsoftは11月中旬にベータを終了するまで、無料の技術プレビュー/ベータプログラムを提供する、これが私の予想だ。
Oakleaf SystemsのRoger Jenning氏は、Microsoftが無料枠を設けていないため、開発者向けには、Azureの価格体系は「Google App Engine」ほど競争力がないと記している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ