「Office 2010」と思われるビルドが新たにリークしたようだ(現時点では、まだウェブでは手に入らない)。Microsoftは7月、一部顧客にコミュニティテクノロジープレビュー(CTP)をリリースしたが、これよりも最新のものとなる。
Wzorでは、最新のビルドを“Beta 1(Build 14.0.4417.1000)”と分類している。Office 2010のビルトイン・ドキュメント管理プラットフォーム「Backstage」などの機能が更新されているし、Microsoftの幹部が先日公式に認めた新しいボリュームライセンスアクティベーション機能も含まれている。このほか、ウェブ版「Office Web Applications」と関係した機能と思われる“Upload Center”もあるようだ。Office Web Appsは、今年の秋にテスター向け公開が予定されている。
Microsoftの代表者は、リークしたビルドについてのコメントを控えた。今年秋に公開を予定しているOffice 2010のパブリックベータ1の一部かどうか聞いてみたところ、同社の代表者は以下のように回答した。
Microsoftは7月、Office 2010のテクニカルプレビュー版を公式リリースしており、年内にパブリックベータをリリースするのに向けて作業を進めているところだ。テクニカルプレビュー版の公開後、MicrosoftはこれまでOffice 2010のコードをリリースしていない。われわれは顧客に、Microsoftのチャンネルを経由して公式に公開した製品をダウンロードしたり利用することを強く推奨している。公式ではない製品には、悪意あるコードが含まれている可能性もある。
Office 2010はかなり完成に近づいているようだが、Microsoftはリリースに関する情報の公開を極力控えている。Microsoftの幹部は先日、パートナー各社に対し、(リリース時期は)2010年5月/6月と示唆している。
しかし、Officeチームが喜んで情報を公開しようとしているものもある。その1つが、製品のユーザーインターフェイスの変更だ。
Microsoftの代表者がすでに述べているように、Office 2010では全アプリケーションで「Ribbon」インターフェイスが導入されることになる。Officeユーザーエクスペリエンスチーム担当シニアプログラムマネージャ、Aaron Butcher氏によると、Office 2010、「OneNote」「Publisher」「Visio」、それに「Outlook」がすべてRibbonになるという。Ribbonは各アプリケーション毎に若干異なる動作をするので、Ribbonの追加はかなり複雑な作業となる(Butcher氏のユーザーエクスペリエンスチームは、約70人のテスター、デザイナー、プログラマー、ユーザビリティ開発者で構成されるチームだ)。
Butcher氏は先日、電話インタビューに応じて、「Officeを習得できれば業務を改善できる、と聞いている。われわれはユーザーの時間を削減し、ユーザーにパワーを与えるなどの支援をしていきたいと思っている」と述べた。
Microsoft側はRibbonの成功を示す遠隔測定的なデータを強調しているが、Ribbonを好まないという顧客や潜在顧客は多い。Butcher氏はRibbonを崩し、容量を浪費しないようにする方法にも触れた(Ribbonを回避するのに一番近いのは「メニューモード」にすることだという)。さらに、Office 2010ではユーザーが独自のコマンドセットを構築できる機能も提供されるという。ユーザーはすべてのラベルを隠すこともできるし、Ribbonを利用するコマンドを増やすことも可能となる。
Microsoftが将来、Ribbonを廃止するのではないか、あるいはクラシックバージョンをオプション提供するのではないかと期待しているユーザーもいるだろうが、Butcher氏によるとそのような計画はないという。
「われわれは、Ribbonが実現する変化にコミットしている。Microsoftは2つのモデル(Ribbonとクラシックモード)をサポートするつもりはないし、クラシックモードを提供した場合、Office周りで機能を開発している開発者に悪い影響が出る」とButcher氏は述べている。
ユーザーエクスペリエンスチームが担当しているUIは、Ribbonだけではない。前述したBackstageも同チームが担当している。Butcher氏によると、RibbonはBackstageにも適用されるとのことだ。Backstageに関連して、Officeの印刷機能もOffice 2010で一新されるとButcher氏は教えてくれた。
ユーザーエクスペリエンスチームはまた、Office 2010で強化されるツールチップとギャラリーにも関わっている。ツールチップは、マウスを重ねると特定の機能の使い方や説明文が表示される機能で、ギャラリーは「基本的なダイアログとコマンドで構成されるミニスクリプト」とButcher氏は説明する。
Office 2010について、現時点でこのほかに知りたいことといえば、Office Web Appsのリリース時期だろう。これ以外に何かあるだろうか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ