インテル、2010年に登場予定の最新vProを語る--「日本での導入も進んでいる」と強調

藤本京子(編集部)

2009-11-12 18:21

 2006年10月の発表から3年が経過したインテルの企業向けプラットフォーム「インテル vPro テクノロジー」。モバイルプラットフォームの「Centrino」ほど急速な広がりは見せていないものの、徐々に、そして確実に企業でのvProの採用は広がっているようだ。インテルは11月12日、vProに関する記者説明会を開催し、現在のvProの導入状況や、2010年に予定している機能追加について語った。

Echevarria氏 Intel インテルアーキテクチャ事業本部 副社長 兼 ビジネスクライアントプラットフォーム本部長のRick Echevarria氏

 「現在vProは、Fortune 100に名を連ねる企業の71%で導入されている。また、エコシステムの構築も進んでおり、80を超えるソフトウェアのサポートが実現している」と話すのは、Intel インテルアーキテクチャ事業本部 副社長 兼 ビジネスクライアントプラットフォーム本部長のRick Echevarria氏。同氏は、日本国内でのvPro対応ソリューションも30製品を超え、導入が進んでいるとして、いくつかの事例を紹介した。

 例えば日経印刷では、vProプラットフォームとクオリティの提供するIT資産管理ソリューション「QAW ver 3.5」を活用し、リモートでの電源管理や資産運用を目的としてクライアントPC約350台を管理するとの目標を定めている。また、松田平田設計では、エムオーテックスのネットワークセキュリティツール「LanScope Cat 6」との組み合わせで、少ないITスタッフでもリモート管理によって約350台のPC管理を実現している。アイ・オー・データでも同じくLanScope Cat 6を導入し、電源オフ時でも約120台のPCの資産管理情報を入手しているほか、パンデミック対策としても応用している。

 さらに、サイトロックの統合運用管理プラットフォーム「siteROCK Remote Station」を使ったvProソリューションは、シーズメン、郵船情報開発、エム・オー・エム・テクノロジーに採用されており、遠隔での運用管理などに活用されている。

Wyant氏 Intel インテルIT本部 CTO 兼 チーフアーキテクトのGreg Wyant氏

 Intel インテルIT本部 CTO 兼 チーフアーキテクトのGreg Wyant氏によると、Intel社内でもvProの導入は進んでいるという。Wyant氏は、「世界中のIntelの事業所で利用されている約9万4000台のクライアントPCのうち、2009年6月までに約4万5000台のPCがvPro搭載機となった。今後もvProの導入を進め、数年以内に100%の導入を達成したい」と述べた。

 2010年には、「新しいvProも登場する予定だ」とEchevarria氏。同氏によると、最新のvProは32ナノメートルプロセッサの「Westmere」(開発コード名)を採用し、パフォーマンスの向上と消費電力の削減が見込めるほか、「Keyboard-Video-Mouse(KVM)リモート管理」と呼ばれる新しい運用管理機能が追加されるため、「万が一クライアントPCがブルースクリーン状態になっても、ヘルプデスクから遠隔操作ができるようになる」(Echevarria氏)という。

 新しいvProではセキュリティ機能もいくつか強化される。その中でもEchevarria氏が一番重要だと強調するのが、Advanced Encryption Standard(AES)暗号の処理を高速化する機能だ。ほかにも、データへのアクセス制限を実現するアンチセフト機能や、暗号化されたものでもリモート管理が可能なリモートエンクリプション管理機能も追加されるという。

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