連結会計システム「DivaSystem」を提供するディーバは11月20日、企業グループでの統合データ活用ソリューションとしてデータウェアハウス(DWH)およびビジネスインテリジェンス(BI)モジュール「DivaSystem MIPS」の提供を開始した。参考価格は350万円からとしている。
DWHおよびBIは、個別企業の内部で広く活用されるようになっているが、今回のMIPSは、企業グループ全体を対象に、各企業から情報を収集して分析するというのが基本だ。
MIPSは、単体会計や連結会計などの各種財務情報に加えて、親会社や子会社、支社や支店、工場までを含めた企業グループ全体の販売や精算、在庫などのデータを統合して、その統合されたデータから顧客単位や製品単位などの詳細なデータ分析を行う。
収集されたデータを体系的に整理して、データ全体から多次元分析と、ピンポイントで欲しい受注速報や販売状況などのリアルタイム分析を混在させることができるという。データの期間も日次や週次、月次、四半期、年次の各期間に対応できるとしている。処理スピードは、数千万件のデータを数秒程度で集計、検索できることを目安にしているという。こうした機能によって、企業グループ全体で常に最新の顧客別、製品別の販売状況、在庫状況、顧客別の連結収支や製品別の連結収支などを把握できるようになるという。
生産子会社からは製品カテゴリ別原価と設備稼働状況を、販売子会社からは販売見通しと営業人員配置を、それぞれ収集して統合することで、製品カテゴリ別の収益見通しを立てたり、設備配分、人員配置をタイムリーに行ったり、といったことが可能になるとしている。
MIPSではたとえば以下のような使い方ができる。
MIPSのダッシュボードで経営者がある事業で「雨」のマークが表示されていることを発見する。雨は、予想よりも売上実績が低いことを示している。経営者は、その事業を統括する部長に連絡して、その部長は、MIPSから統括する事業のデータをドリルダウンする。
ドリルダウンされたデータから、ある顧客からの売り上げが通年よりも低いことを発見。さらに、その顧客との取引情報すべてを見ることで、なぜそうした状況になっているのかの実態を把握することができる。
こうしたドリルダウンの操作は、ユーザーの手元にあるExcelから行うことができる。フロントツールとして、ユーザーが使い慣れたExcelがふさわしいという判断からだ。
これまで企業グループレベルで顧客別や製品別の収支分析が活用されてこなかった背景として、データ収集上の制約、集計や検索性能上の問題が存在していた。この事態から、企業グループとして顧客別や製品別の収支をタイムリーに算出できなかったという課題があった。
ディーバでは、集計、検索モジュールとしてMIPS、リアルタイムにデータを参照、修正、収集するモジュールとして「DivaSystem EIGS」、管理会計全体のフレームワークを統合、制御するDivaSystemというように、機能別にモジュールを構成している。アーキテクチャ全体を最適化することで、そうした問題や課題を解決することに成功し、投資対効果の高いソリューションとしてパッケージングしたと説明する。