(編集部より:この連載では、主に新社会人に向け「仕事」としてメールやウェブサービスを使っていく際の心構え、ツールの紹介などを7回にわたって掲載する。筆者の後藤康成氏は、3月1日スタート予定である「feedpath Rooms」などのウェブサービスを提供するフィードパスのCTOである)
この連載では、主にこの春から仕事に就く人を対象に、ITツールによる「仕事でのコミュニケーション」を行っていく際に必要な心構え、それぞれのツールの特徴、そのツールを仕事で使う場合の注意点、各分野のツールにはどのようなサービスがあるかといった点について分かりやすく説明していきたい。
初回の一番最初は、TPOに合わせたツール選択を行うための前提となる「仕事」と「情報」の関係について考えてみよう。
1.仕事で扱う情報ソースの分類
従事している業種に関わらず、ICTツールからの情報をベースとして、会社での仕事をこなすために必要な情報ソースを考えるとき、主にウェブ上にあるさまざまな情報である「フロー情報」、社内の情報共有ツール上あるいは自分のコンピュータ内にある「ストック情報」、主にメールメッセージで送られてくる情報である「プッシュ情報」の3つに分類すると分かりやすい。
「フロー情報」とは、主にウェブなどで発信されている情報を指す。具体的には、ネット上のニュースメディアやブログ記事として入手できる情報である。テレビや新聞などのマスメディアからの情報も、今ではほぼリアルタイムでウェブに掲載されており、ウェブページやRSSフィードなどの形で閲覧、入手できる。社会の動きや、自分たちのビジネスに関する最新の動向などを知るために必要な、社外に流れている情報を、ここではフロー情報と呼ぶことにする。
「ストック情報」とは、社内のファイルサーバでのまとまった情報や、社内ブログ、グループウェアの掲示板などの情報である。自分のコンピュータに保存しているワードやエクセルなどのファイルもストック情報となる。
「プッシュ情報」とは、目的を持って、相手やシステムから自分の元に届けられる情報のことを指す。インターネットメールや社内メールなどで送受信されるメッセージや、グループカレンダーからのアポイントメント依頼通知などが一番分かりやすい例だろう。また、社内プロセスが標準化されている場合には、プロジェクトの報告書や稟議ワークフローの承認依頼といった内容が、システムなどから自動的に「プッシュ」されてくるケースもある。