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語りにくい“非機能要求”を見える化--発注者と受注者の共通認識を促す

新澤公介(編集部)

2010-02-25 21:58

 大手SI事業者6社で構成される「システム基盤の発注者要求を見える化する非機能要求グレード検討会」(非機能要求グレード検討会)は2月25日、情報システムの検討段階で“非機能要求”について発注者と受注者の共通認識を得るための手法「非機能要求グレード」が完成したと発表した。

 会見には、非機能要求グレード検討会に参加するNTTデータと富士通、NEC、日立製作所、三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS)、沖電気工業の6社のほか、独立行政法人 情報処理推進機構 ソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC)も出席した。

木谷強 木谷強氏

 非機能要求とは、「レスポンスを3秒以内にしてほしい」「システムダウン時は3時間以内に復旧してほしい」「2倍の性能に拡張できるようにしてほしい」といったシステムの応答速度や拡張性、耐性など、発注者がシステムに求める機能以外の要求のこと。発注者であるユーザー企業は、システムの機能面に意識を集中させてしまい、性能や可用性などの非機能面はあまり意識されない。

 「(非機能要求は)技術的要素が強いため定義するのが難しく、語りにくい」(NTTデータ技術開発本部 副本部長の木谷強氏)としており、このため「発注者と受注者との間で非機能の要求項目が漏れやすい」という課題を挙げている。これらの課題に対して、発注者の視点から非機能要求の実現レベルを“見える化”する必要があると指摘されていた。

  • 非機能要求グレード検討会で解決したい課題

  • システム基盤に関する6つの非機能要求

 非機能要求グレードでは、まずシステムの方向性や規模、特長を確認する。システムが利用不可能になった場合どのような社会的影響があるかを、発注者がイメージできるように「モデルシステム」と呼ばれる3つのモデルを用意。選ばれたモデルシステムをもとに、「グレード表」を使ってコストや品質などの基本方針を明確化する。具体的に要求する項目とレベルは、「項目一覧」で確認できる。

 具体的なイメージを持たせて、段階的に詳細化することで、発注者はシステムの定義や影響を把握できるようになるという。受注者であるSI事業者もまた、システム開発における手戻りコストの減少や、運用におけるトラブルの減少を見込めるとしている。

 非機能要求グレードはエクセル形式で公開。提案依頼書(RFP)や社内での標準化など使用状況に応じてカスタマイズできる。

  • 発注者は3つのモデルシステムから1つ選び、自社の方向性やイメージを固める

  • コストや品質に関する重要項目。1〜5のレベルに分類される

  • 要求項目を一覧で確認できる

 非機能要求グレード検討会は2008年4月に発足。2009年5月に非機能要求グレードの初版を公開した。今回の最終版では、初版で募集したパブリックコメント391件を取り入れているほか、ユーザー企業として東京海上日動火災保険と東京ガスから適用評価を受けている。

 非機能要求グレード検討会は3月31日で活動を終了。SECが著作権を無償で譲り受け、今後は非機能要求グレードの普及と利用促進に向けて活動していく。SEC所長の松田晃一氏は、「まずはユーザー企業への理解を深めたい。RFPなど民間で使われるように、啓蒙活動を進めていく」としている。

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