東芝ソリューションは2月25日、営業活動マネジメントシステム「iS-SQUARE」を顧客情報管理システム(CRM)「T-SQUARE」シリーズのラインアップに加えて2月から販売を開始したことを発表した。
iS-SQUAREは、計画主導で行う営業活動、顧客深耕の考え方をベースに、営業活動全体の可視化、マネジメントの高度化を図るものだとしている。中長期にわたる顧客や案件の開拓、特定顧客向け戦略、市場セグメントに対する拡販活動など、営業戦略から営業活動のさまざまな段階を“活動計画”として立案、共有でき、活動進捗や案件熟度、顧客深耕度などを独立して管理できるという。見込みや実績管理といった計数管理と連動できるなど、多様な視点で営業マネジメントを実現するフレームワークだと説明している。
顧客戦略や市場戦略については、個々の案件や商談の獲得活動など一連の営業戦略を中長期でとらえ、その戦略を日々の活動にブレークダウンした活動計画を立案する。活動計画は、“活動実績”と対比することで活動実績とのギャップや進捗をタイムリーに把握でき、営業担当が負担なく使いやすい機能が特長だとしている。
担当者個人の活動履歴や案件の熟度、見込みランク状況を“プル型”で確認できる。加えて担当者の活動報告コメントや活動遅延、見込みランク変化などを“プッシュ型”の通知機能で上長のPC画面に表示することで、上長のコーチングや活動の軌道修正が可能になるという。
また、組織予算の登録と確定、担当者とは別に上長見込みランクの設定、活動実績としての受注や売上実績の登録など、きめ細かな計数で予実管理する機能も装備し、マネジメント力のアップや見込み精度の向上を支援するという。
さらにiS-SQUAREは、アプローチ段階やアフターセールス段階での顧客コンタクトもカバー。顧客深耕度や案件熟度、受注や売り上げの見込みランクなどのきめ細やかな管理指標と、その変遷で営業活動の成果を評価できることから、より効果的な次の活動計画を策定できるとしている。
多くの営業支援システム(SFA)が使われない原因とされている操作性については、ほかのT-SQUAREシリーズと同様、使いやすさにこだわった画面構成やきめ細かな操作感を提供し、営業の現場で使いやすい仕組みを実現できているという。
これまで多くの企業がSFAを導入してきたが、その多くは結果管理や商談管理の域を脱していないと、東芝ソリューションはみている。現在の厳しい環境を打破するためには、より自社の営業スタイルに適した仕組みへの見直し、あるいは営業マネジメントのあり方そのものの見直しが必要と説明する。
同社は長年、営業改革に取り組んでおり、2005年の「営業革新プロジェクト」発足以降、戦略や組織、人材、プロセス、ITにわたる多角的な改革を推進。その中でIT分野の改革の目玉として、長期にわたる顧客との関係作りや深耕、案件開拓や商談活動などと、予算や見込みの管理などを連動させる新システムを自社開発し、2009年4月から全営業社員約600人が利用しているという。
東芝ソリューションはそうした自社の経験を踏まえ、新たな概念の営業向けマネジメントシステムとしてiS-SQUAREを商品化している。同社はiS-SQUAREをラインアップに加えることで、T-SQUAREシリーズ全体で今後3年間で100億円の売り上げを目指すとしている。