Microsoftが2010年3月中旬に「Internet Explorer 9(IE 9)」の開発者プレビューを公開して以来、70万件以上のダウンロードがあったという。匿名を条件に、状況に詳しい人から教えてもらった。
IE担当ゼネラルマネージャーのDean Hachamovitch氏と米国時間4月7日、電話で話をしたのだが、Hachamovitch氏はIE 9開発者プレビューのダウンロード数を公開しなかった。だが、次期版となるIE9の反応が肯定的であることは認めた。IE 9はHTML 5への対応、高速化したJavaScriptエンジンなどの特徴を持つ。
Hachamovitch氏は、最初の開発プレビュー版は米国英語版のみのリリースだったと念を押しながら、ダウンロードが多かった上位5カ国は、米国、ブラジル、インド、英国、ドイツ(多い順)と教えてくれた。テスターの多く(50%)は、プレビュー版の速度と性能ベンチマークをテストしているという。そのほか、27%はMicrosoftが提供するグラフィック中心のテストにフォーカスしており、22%はHTML 5機能を試しているとのことだ。
チームに寄せられたバグの報告については、グラフィックとSVGに関するもの、全体の互換性、Trident(レンダリングエンジン)とCSS(Cascading Style Sheets)の3つの分野が最も多かったという。開発チームは少しでも多くのバグを修正しようと取り組んでいる、とHachamovitch氏は述べている。また、IE 9が関連した100の追加テストをW3Cに提出したことや、フィードバックへの迅速な対応にフォーカスしていることなどについても話してくれた。
2010年3月、MicrosoftはIE 9のテストビルドを8週間おきに公開すると約束していた。開発チームはまだこの目標達成に向けて作業を進めており、5月中旬に開発者向けプレビュー2を公開する予定にしている。一部のテスターからは、毎日夜に更新されるNightly Buildの公開を求める声も上がっているが、その予定はなく、安定してインストールできるビルドを定期的に配信することにフォーカスしている、とHachamovitch氏は述べた。
Hachamovitch氏は開発者向けプレビュー2について、速度、性能、ベンチマークテストに関して「プレビュー1以上の機能を提供する」とは述べたが、それ以上については多くを語らなかった。IE 9の新しいUIも含まれないようだ。プレビュー2の後にリリースするプレビューは、「さらにおもしろいものを追加する」とHachamovitch氏は述べたが、具体的なことは教えてくれなかった。
IEチームは、IE 9のベータ版や正式版の提供時期に関する情報をまだ公開していない。MicrosoftはIE 9の前に暫定版としてIE 8の新バージョンを公開する作業を進めている、といううわさを目にするが、これについて聞いてみたところ、Hachamovitch氏はこれを否定した。そのようなリリースに向けた作業は行っていない、というのがHachamovitch氏の回答だった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ