富士通、大平洋金属の新会計システムを共同構築--1日要した経費集計作業を1.5時間に短縮

ZDNet Japan Staff

2010-04-27 07:00

 富士通は4月26日、青森県八戸市に本社を置く大平洋金属と共同で同社の会計システムを構築し、このほど本格稼働を開始したと発表した。大平洋金属は、鉄とニッケルの合金でステンレスの主原料となるフェロニッケルの生産において、世界第3位、アジア第1位のトップメーカー。

 鉄鋼業界では競争が激化しており、IT活用によるさらなる企業体質の強化が重要になっているという。大平洋金属ではこれまで、会計に関する各部門のデータ収集から集計までを経理部門の限られた専任担当者が行っていたため、総経費集計表の作成をはじめとする作業負荷が増大。また、決算の早期化や内部統制への対応が課題となっていた。

 大平洋金属は、これらの課題を解決し、将来的な業務運用や会計科目の変更への柔軟な対応を可能にするため、「GLOVIA smart 会計」および2009年4月に富士通が提供を開始した、各種業務システムからデータを収集し、活用に適した形に変換、配付するためのデータ収集、統合ソフトウェア「Interstage Information Integrator」を連携させたシステムを富士通と共同で構築した。

 本稼働を開始した新会計システムでは、Interstage Information Integratorの「デザインシート機能」や「プラグイン機能」を活用している。デザインシート機能は、システム設計およびシステム運用の定義情報をExcelシートで管理するもので、Excel内に記述された定義内容を修正することで、業務運用の変更に伴うシステム変更を行える。また、プラグイン機能は、ユーザーの独自アプリケーションをInterstage Information Integratorに組み込みデータ処理の一連の流れとして同ソフトウェアで監視できる機能だ。同社では、これらの機能を活用し、専任担当者がこれまで行っていた製造部門、補助部門、人事部門などの各部門からの月報情報や賃金情報といった、データを収集し集計を行う一連の属人的な作業およびノウハウを定義し、固有の機能としてシステムに取り込んだという。

 大平洋金属では、今回の新システムの導入により、たとえば、総経費集計表の作成については、これまで約1日要していた作業時間を約1.5時間まで大幅に削減できる見込みという。また、月次決算処理に要していた期間については、3日間の短縮が可能としている。大平洋金属では、今後も会計システムのさらなる機能強化を図り、企業競争力向上に取り組んでいく予定。富士通は、コンサルティングからIT導入、運用保守まで一貫して大平洋金属を支援するとともに、ICTを通じて大平洋金属のビジネスの発展に貢献していくとしている。

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