「ビジネスアナリティクスが業績向上に貢献することは実証済み」
その後の基調講演では、米IBMでBusiness Intelligence&Performance Management, Software Groupのバイスプレジデントを務めるEric Yau氏が、「Are you ready to Outperform?−競合他社よりも優れたパフォーマンスを発揮するために」をテーマに講演を行い、先ごろ発表されたばかりのIBM Cognos 10について紹介した。
Yau氏は、「企業のインテリジェンスを解放するのがIBM Cognos 10である。それは、新たなBIワークスペースを提供することによって実現される。クエリ、分析、スコアカード、ダッシュボード、予測モデリング、検索、パーソナルデータの統合といった形で、ベンダーが作り上げた数々の壁を取り払い、単一でシンプルなBIの活用を可能にするものになる。自由な思考と、枠を越えた連携、経営者から一般社員まで、いつでもどこでも実行できるアナリティクスであり、まさに魔法のようなものである」とした。
「自由な思考」では、統合されたワークスペースの実現や、過去、現在、将来をとらえた分析と予測、ビジネス局面に応じた活用が可能になるとし、「枠を越えた連携」では、コラボレーションに基づく意思決定、ビジネス状況を共有し、ステークホルダー間でベトクルを合わせることができるほか、意思決定プロセスにおける説明責任などにも対応できるとした。また、「いつでもどこでも実行」という観点では、モバイルデバイスやオフライン環境との連携、他のアプリケーションとの統合などがアピールポイントになる。即時対応が可能になり、場所を選ばず、行動につながる洞察を実現できるという。
「Oracleに比べて大幅な高速化を図っており、IBM Cognos 8に比べてクエリは3倍速い。また、IBM Cognos 8から10へのアップグレードをシームレスに提供し、45分でインストールできることにもこだわった」(Yau氏)
Yau氏によれば、IBMはビジネスアナリティクスに対する投資を続けており、以前よりも20%以上リソースを増やしてポートフォリオを拡大してきたという。SPSS、OpenPages、Clarity Systemsなどの買収もその一環だ。
Yau氏は「ビジネスアナリティクスとは、スマートな意思決定と実践的な洞察を支援するものであり、業績を予測し、かつ将来を設計することができる。これを日々のオペレーションに活用することにより、業績アップに貢献できることが、すでに実績として明らかになっている。例えば、リッチモンド警察ではビジネスアナリティクスを活用することで、武器押収が246%増加し、発砲事件が49%、殺人事件率が40%減少した。さらに、残業コストを1万5000ドル削減することができた」と述べ、ビジネスアナリティクスへの取り組みが、企業の業績に実際に貢献しうるものであることを強調した。