富士通は2月21日、NTTドコモが2月17日に提供を開始したモバイルワーカー向けクラウドサービス「モバイルセキュアデスクトップ」のICT基盤を構築したと発表した。
同サービスは、情報漏えいの懸念から、社外でのPC利用を制限されている企業のモバイルワーカー向けの新サービス。次世代通信方式であるLTE(Long Term Evolution)を活用した接続サービス「Xi(クロッシィ)」からも利用できる。
Xiは、NTTドコモがモバイル通信方式において現在主流となっている3Gから、より高速かつ安定したインターネットサービスを実現できるSuper3Gとして提唱するLTEを利用したサービス。上り最大50Mbpsの高速データ伝送が可能で、日本では2010年12月24日から提供されている。
今回、提供されたモバイルセキュアデスクトップは、FOMA、固定網などの通信方式に加え、LTEも活用した高速通信を使用して、外出先、オフィスなどの場所を選ばずにPC、シンクライアント、タブレット端末からセキュアなデスクトップ環境で業務が行えるサービス。同サービスのうち、ファイルやアドレス帳を管理できるストレージサービスは、スマートフォンや携帯電話からも利用できるという。
新ICT基盤は、富士通が全体のシステムインテグレーションを担当し、同社のブレードサーバ「PRIMERGY BX922」、PCサーバ「PRIMERGY RX300」、ストレージシステム「ETERNUS DX90」および「ETERNUS NR1000F 3140」で構成される。OSには、「Microsoft Windows Server 2008」が採用された。これに仮想化ソフトウェアとして「Citrix XenDesktop」および「VMware vSphere」を導入し、クラウドサービス環境を実現したとしている。
これらの組み合わせにより、モバイルセキュアデスクトップの利用者拡大にあわせて柔軟に拡張できる仮想化環境を実現したという。また、同基盤をNTTドコモのデータセンターに構築することで、データセンターでのデータ集中管理やクライアント仮想化ソフトウェア利用によるセキュアな環境構築はもとより、サービス利用画面や利用者管理をはじめとした各種管理機能の設計、開発を含めて支援したという。運用管理面においては、富士通のシステム運用管理業務のアウトソーシングサービス「サーバLCMサービス」を提供しており、構築から運用まで、NTTドコモのサービスを全面的に支えているとしている。