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「アジャイル開発」って何がいいの?--アジャイル開発を実案件に生かすための基礎知識 - (page 5)

柏木雅之、山下博之 (IPA SEC エンタプライズ系プロジェクト)

2011-05-25 12:00

改めて「アジャイル宣言」を見てみよう

 2001年に、Kent Beck氏、James Grenning氏といったアジャイル開発の提唱者17名が集結し「アジャイル宣言(Agile Manifesto)」が発表されました。ここでは4つの価値と12の原則が記されています。少し長いですが、アジャイル開発のポリシーが凝縮されている重要なマニフェストなので、ここに引用します。

4つの価値

 私たちは、ソフトウェア開発の実践を手助けする活動を通じて、より良い開発手法を見つけ出そうとしている。この活動を通して私たちは以下のことを重視する。

  1. プロセスやツールよりも個人との対話を、
  2. 包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、
  3. 契約交渉よりも顧客との協調を、
  4. 計画に従うことよりも変化への対応を、

 価値とする。すなわち1~4の各文の前者(“よりも”の前の言葉)に価値があることを認めながらも、私たちは後者(“よりも”の後の言葉)の事柄に、より価値を置く。

12の原則

 私たちは以下の原則に従う。

  1. 顧客満足を最優先し、価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供する。
  2. 要求の変化は、たとえ開発の後期であっても歓迎する。変化を味方につけることによって、顧客の競争力を引き上げる。
  3. 動くソフトウェアを、2~3週間から2~3カ月というできるだけ短い期間でリリースする。
  4. ビジネス側の人と開発者は、プロジェクトを通して日々一緒に働く。
  5. 意欲に満ちた人々を集めてプロジェクトを構成する。
  6. 情報を伝える最も効率的で効果的な方法は、フェイス・トゥ・フェイスで話をすることである。
  7. 動くソフトウェアこそが進ちょくの最も重要な尺度である。
  8. アジャイル・プロセスは持続可能な開発を促進する。一定のペースを継続的に維持できるようにしなければならない。
  9. 技術的卓越性とすぐれた設計に対する不断の注意が機敏性を高める。
  10. シンプルさ(ムダなく作れる量を最大限にすること)が本質である。
  11. 最良のアーキテクチャ・要求・設計は、自己組織的なチームから生み出される。
  12. チームがもっと効率を高めることができるかを定期的に振り返り、それに基づいて自分たちのやり方を最適に調整する。

 こうして見るとアジャイル開発という手法は、開発側に対しても顧客に対しても能動的な姿勢を求めていることがわかると思います。

 時代のニーズに合ったソフトウェアを作るという目的のために、開発側と顧客が手をとりあって開発にまい進していく……。それがアジャイル開発の理想型でもあるのです。

第2回「アジャイル開発はなぜ難しい?」につづく

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)ソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC)
エンタプライズ系プロジェクト
研究員:柏木雅之 プロジェクトリーダー:山下博之

IPA SECは、より信頼性の高いソフトウェアを効率よく開発できるようにするため、開発プロセスの標準化や改善、プロジェクトの“見える化”や“測る化”などの分野で産学官の力を結集してソフトウェア技術の開発・普及や人材の育成に取り組んでいます。

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