第一三共が2010年度からシステム基盤をクラウド環境に移行するプロジェクトを進めている。現在、100台強の仮想サーバが稼働している。プロジェクトを共同で進める富士通が7月26日に発表した。
システム基盤をIaaSに刷新するのは製薬業界初の取り組みという。プロジェクトは2014年までに完了する予定。
第一三共は既存のアプリケーションを再構築せずに、サーバの老朽化などにあわせて順次最適なタイミングでシステム基盤を刷新する方針を打ち出し、既存PCサーバの台数を約8分の1に集約して、運用効率を向上させる。富士通の従量課金型のクラウドサービスを活用するため、仮想化技術で集約したシステムを2014年までに富士通のデータセンターに移行して運用する。
サーバやストレージなどの稼働状況を可視化することで、ピーク時を考慮した従来のリソースの最適化、最小限のリソースでコストを抑えた運用が可能になるという。第一三共のセキュリティポリシーに対応した信頼性の高いプライベートクラウド環境を実現するため、第一三共と富士通のデータセンターを結ぶ専用線も整備する。