米オラクル、「Solaris 11」提供--仮想化機能強化、ネットワークレベルで対応

田中好伸 (編集部) 2011年11月10日 20時18分

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 Oracleは11月9日(米国時間)、UNIX OSの新版となる「Oracle Solaris 11」の提供を開始した。前版の「Solaris 10」(当時はSun Microsystemsから提供)から6年ぶりのメジャーバージョンアップとなる。

 Solaris 11はこれまで「Solaris 11 Express」という名称で搭載される機能を先行的に使うことができた。今回のSolaris 11はExpressが取れた正式なものになっている。Solaris 11についてOracleは、「完全に仮想化された初めてのOS」と呼び、OSやネットワーク、ストレージ向けの仮想化機能が組み込まれていると説明する。プライベートとパブリック、そしてハイブリッドとどのクラウドでもビジネスアプリケーションの実行基盤となれることから、同社はSolaris 11を「クラウドOS」としてそのメリットを強調している

 来日している、同社のシステムズ事業でストラテジックエンゲージメントのシニアディレクターを務めているShane Sigler氏は、Solaris 11について「仮想化機能が強化されている」と説明する。現在、さまざまなコンポーネントで仮想化対応機能が搭載されているが、Solaris 11ではネットワークレベルでの仮想化機能「Crossbow」が搭載されている。ネットワークインターフェースカード(NIC)の仮想化などもOSで展開できるようになる。

写真 11月10日に開催された日本オラクルのイベントで講演するShane Sigler氏

 Solaris 11に搭載される「Oracle Solaris Zones」と呼ばれる仮想化技術は、VMwareの15分の1のコストで物理ノードごとに数百ゾーンまで拡張できるという。これらには、メモリやネットワーク、CPU、ストレージなどの制限はないとしている。仮想化機能が組み込まれているSolaris 11では、x86とSPARCの両方のアーキテクチャで動作するハイパーバイザ「Oracle VM」に対応するように設計されており、柔軟でセキュアなライブマイグレーションが実現できるとしている。

 ハイパーバイザを中心にした仮想化環境では、仮想化レイヤが加わることで、どうしてもシステム全体の管理が複雑になってしまう。今回のSolaris 11でも、そうした「管理しやすさに注目が集まっている」とSigler氏が説明する。仮想化レイヤに加えて、物理ハードウェアやネットワーク、ストレージまでインフラ全体を包括的に管理することが可能だ。また管理ツールの「Oracle Enterprise Manager Ops Center」を活用すれば、システム管理機能が一元化され、企業内のハードウェアやOS、仮想化リソースを集中制御することもできるようになっている。

 Solaris 10から継承されている「Zettabyte File System(ZFS)」がデフォルトのファイルシステムであり、データやストレージの管理基盤となっている。ストレージの管理基盤の面では、フラッシュメモリ対応の階層化ストレージプール、ラインスピードでの暗号化などに対応しており、拡張性も高められているという。重複排除機能も搭載されており、仮想化環境でのストレージ要件は10分の1にまで低減できるとしている。

 Oracle Solarisは、Oracle VMと同様に、Oracleのミドルウェアやアプリケーションと統合して設計、検証されており、同時に導入してサポートされるようになっている。フェイルオーバの迅速化や信頼性向上でOracle製アプリケーションの性能を10倍まで向上させられるとしている。

 Oracle Solarisの開発チームはほかの製品の開発チームと共同開発で機能を強化することで、Oracle DatabaseやOracle Fusion Middleware、Javaベースのアプリケーションの性能や可用性、セキュリティ、管理性が向上していると説明。Solaris 11では新たに共有メモリを最適化すると同時に、I/O、統合リソース管理、暗号処理のオフロードなどの機能が強化されているという。

 1992年に「Solaris 2.0」がリリースされて以来、Solarisをベースにしたアプリケーションが多種多様あり、ミッションクリティカルなエンタープライズアプリケーションの基盤としてSolarisが活用されている。今回のSolaris 11に対応する1万1000以上のアプリケーションは、いずれも「Oracle Solaris Binary Application Guarantee Program」でバイナリ互換性が確保されており、Solaris 11上での動作が保証されているという。Physical to Virtual(P2V)やVirtual to Virtual(V2V)のツールを使用することで、Solaris 11の最新機能にアクセスしながら、Solaris 10の環境をSolaris 10 Zoneに移行させて、これまでの投資を保護することもできると説明している。

 現在企業ITの世界で仮想化技術といえば、VMwareが事実上の標準になっていると言い表すことができる。その技術力はユーザー企業から高く評価されている一方で、そのコストがユーザー企業の頭痛のタネとも指摘されている。そうした状況に対して、Sigler氏は「Solaris 11やOracle VMなどは圧倒的に安価であり、導入後のサポートも含めて考えると、VMwareよりもずっと低く抑えることができる」と、技術力だけではなく、運用管理の段階まで考えてメリットがあることを強調している。

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