東海大学は全国10カ所にキャンパスが分散しているが、各キャンパスで個々に行っているシステム運用業務の効率化やキャンパス間のシステム重複をなくすため、プライベートクラウドを利用したシステム統合を進めている。その計画の一環として、学生用教育端末2200台、職員用業務端末約160台、学内共用端末約120台、計2480台をシンクライアント化している。NECが3月5日に発表した。
この機会に、学生・教員向けの教育研究サービスを湘南キャンパスに順次統合することを目指している。約220台の学生用教育端末は、一斉起動時のレスポンスとCADなど負荷の高いアプリケーションの利用が求められることから、ネットブート型のシンクライアントシステム「Citrix Provisioning Server」を採用している。端末起動時間を約50%、端末運用担当者の業務負荷を約4分の1に削減している。
約160台の職員業務端末は主にオフィスアプリケーションを利用することから、仮想PC型のシンクライアントシステム「VirtualPCCenter」を採用した。仮想PCのメリットを活かして別のフロアや自宅からも自身のクライアント環境を利用して業務を継続できる。端末管理工数を削減するとともに、職員による情報流出リスクを防止できるとしている。サーバの仮想化とあわせて最大消費電力を約3分の1に削減できるという。
図書館や学生生活支援室、キャリア支援課の端末には、画面転送型のシンクライアントシステム「Citrix XenApp」を採用している。利用者個別の環境は必要とせず、オフィスアプリケーションとネットのみを利用する学内共用端末として適していると説明している。
東海大学では、これまで個別に運用、管理していたメールサーバや認証サーバなどを湘南キャンパスに集約して、教育研究サービスを湘南キャンパスに順次統合していく。情報の一元化やサービス品質の統一を実現できるという。教職員情報システムや学生情報システムの事務系、教育研究系で個々に管理されていたユーザーIDを、統合認証サービス「SECUREMASTER」でIDポリシーを統一して整備していく。大学では大規模という約5万IDを統合した。今後、ID管理の一元化も検討していく。