SAS Institute Japanは3月15日、マーケティング業務を統合的に管理するためのソフトウェアを、一部の顧客企業向けにSaaS形式で先行提供すると発表した。企業が、戦略目標と現場での達成率などの情報をひも付けて体系的に管理し、投資対効果の検証などをできるようにするもの。マーケティング担当者はキャンペーン施策の精度の改善やコスト削減を図れるほか、マーケティング投資の効果を論理立てて説明できるようになる。
ビジネス開発本部長の須部恒氏は、「例えばサービス業など、多数の消費者を対象にマーケティングを実施するような業態への導入が特に効果的」と話す。
ビジネス開発本部長の須部恒氏
提供するのは「SAS Marketing Operations Management」。目標達成率などを把握し、改善領域をすぐに決定するための「KPIおよび予算管理」をはじめ、「キャンペーン情報やスケジュール管理」、施策実施プロセスの進捗を正確に把握するための「ワークフロー管理」、外部発注を含めた人的リソースを無駄なく配置するための「リソース管理」、チャネルごとの広告素材の重複制作を避けて費用を削減できる「コンテンツ管理」を主な機能として提供する。
ビジネス開発本部CIグループ部長の高橋昌樹氏は、米国の事例を使って導入効果を説明した。ある自動車メーカーは、自社とディーラー間にまたがったマーケティング業務の課題を解決したという。その自動車メーカーは多数の国にディーラー網を持っていたが、マーケティングに関しての情報共有体制がなく、自社と各ディーラーがそれぞれ異なるマーケティングメッセージを発信していたという。
そこでMarketing Operations Managementを導入したところ、マーケティングメッセージの統一が図れたほか、自社とディーラーおよび広告代理店間でコンテンツを共有したことにより、広告コンテンツの制作費用を大幅に削減するなどの効果があった。
なお、新製品の価格はライセンス数による。概ね企業あたり数百万円からの提供を想定している。