ビッグデータ時代、データを情報に変えるプロセスが重要--SASのビジネス戦略

大河原克行 2012年02月28日 16時58分

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 SAS Institute Japanは2月28日、2012年度のビジネス戦略を発表した。

 SAS Institute Japan代表取締役社長で、北アジア地域統括責任者も兼任する吉田仁志氏は、2012年度においては「Information Management」「High Performance Analytics」「Global Solution & Practice」の3点を事業戦略の鍵とする姿勢を示した。

 吉田社長は「いまや日本の企業においては、グローバル展開は一部の企業のものだけではなくなり、企業は様々なグローバルリスクを抱えている。また、かつては10年で倍増するといわれた情報量はいまや10カ月で倍増するといった勢いで、ビッグデータ化が促進されているものの、その多くはデータを格納するだけに留まっており、情報として活用するところまではいっていないという課題がある」と指摘。

SAS Institute Japan代表取締役社長兼北アジア地域統括責任者の吉田仁志氏
SAS Institute Japan代表取締役社長兼北アジア地域統括責任者の吉田仁志氏

 「戦略的な分析をしている企業は、財務的に高いパフォーマンスを持っているという調査結果もあり、Big Data(ビックデータの集積)、Hyper Connnectivity(あらゆるデータとの接続)、High Performance Computing(データの高速処理)が企業におけるキーワードとなり、いまや情報活用力こそが、企業の格差につながっている」と説明し、SASはこうした企業が置かれた立場の変化と、課題解決に向けた展開を進めていくとした。

 3つの戦略のうち「Information Management」では、ビッグデータ時代においてはデータを情報に変えるプロセスが必要であり、そこから価値を創出することが重要であると定義。「データ収集、統合、管理だけでは役に立たない。データをいかに経営に役立つ情報にするかが重要である。SAS Information Managementアーキテクチャは、分析プロセス、意思決定プロセスを一体化して組み込んでいるのが独自の特徴だといえる。データを情報に変えて、意思決定へとつなげることができる」とし、全社的にデータを管理するだけでなく、分析モデル管理と実行、意思決定の示唆、それを実行するワークフローを導入できるとした。「IT部門が戦略的なイノベーションの中核となるよう、SASはソリューションを提供していくことになる」と語った。

データを情報に変えるプロセスこそ重要
データを情報に変えるプロセスこそ重要

 また、「High Performance Analytics」では、分散システム環境下でSASのソフトウェアを実行することにより、処理速度の向上とシステムの高い可用性を実現する「SAS Grid Computing」、SASの処理を汎用データベース側で実行することにより、既存のデータベース資産の有効活用と処理速度の向上を実現する「SAS In-Database」、分析対象データを専用ハードウェアのメモリ上にすべて展開し、処理することかでビッグデータの高速分析を実現する「SAS In-Memory Analytics」などに触れた。

 吉田氏は「金融機関では、いままで3カ月かかっていた分析を55秒にまで短縮できるようになったことで、顧客窓口のサービスにこれを生かすといった大きな変化が起こっている」などとし、SASの分析基盤が持つパフォーマンス、拡張性、信頼性を提供することで、最小限のシステムリソースでビッグデータをサポートできることを強調。一刻を争うスピード感が求められる状況を解決するために設計されているハイパフォーマンス・コンピューティング基盤と位置づけた。

パフォーマンスと拡張性、信頼性に重点を置いて訴求する
パフォーマンスと拡張性、信頼性に重点を置いて訴求する

 「Global Solution & Practice」では、グローバルリスクに対応するソリューションの提供を強化することが必要だとし、オンプレミスとクラウド環境の両面からソリューションを提供しているほか、約200種類の業種/業務アプリケーション展開ができるというSASの特徴を訴求。また、様々な地域での原価や評価分析、調達確保などをリアイルタイムで行い、グローバル調達をサポートするソリューションを強化する「収益分析」、構造化データおよび非構造化データをマルチ言語でサポートし、ソーシャルメディア分析ソリューションによる不具合やブランド毀損の早期検知に活用できる「顧客分析」などでの強みを強調。

 「顧客分析をしない会社に将来はない。SASには世界各国にコンサルタントがおり、分析を中心にした支援を行えるのはSASしかいないと考えている。SASでは日本市場重視の姿勢をもっており、北アジアのヘッドクォーターを日本に置いている。世界で集めた顧客の導入事例を共有化している」などと説明した。

グローバルリスクへの対応では、ソーシャルメディアの分析についても紹介された
グローバルリスクへの対応では、ソーシャルメディアの分析についても紹介された

 また、吉田氏は「富士通のパートナーシップは重要であり、今年は前面に打ち出していく。パートナー戦略の象徴となる」とし、大手銀行などのホワイトスペースとなっている分野への展開を強化する姿勢を示した。

 なお、SAS Institute Japanの2011年におけるグローバルの業績は、過去最高の売上高となる前年比12%増の27億ドルを達成。36年連続での増収増益を達成したほか、日本法人は東日本大震災の影響があったものの後半に業績が回復。第4四半期は、SAS Institute Japanとして設立以来、過去最高の売上高を記録したという。また、「経済環境が悪化している欧州においても、危機の時こそ分析という動きがあり、前年実績を上回った」という。さらに米国において働きがいのある企業として第3位となり、10年以上連続でトップ10入りしていると語った。

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