米国ヒューストンで開催された「Microsoft Dynamics」のユーザー向けイベント「Convergence 2012」にて、クラウドへの移行を強調したMicrosoft。
すでに提供されているクラウドサービス「Microsoft Dynamics CRM Online」に加え、日本国内では未提供ではあるものの、2012年第4四半期には中小企業向けERP「Microsoft Dynamics NAV」および「Microsoft Dynamics GP」もクラウド対応とすることを表明するなど、積極的にクラウド戦略を推進している。
同イベントで米Microsoft ビジネスソリューション担当プレジデントのKirill Tatarinov氏に、クラウド化を進める際の社内文化の変革について、またDynamics製品の競合に対する強みなどを聞いた。

米Microsoft ビジネスソリューション担当プレジデント Kirill Tatarinov氏
--パッケージソフトからクラウドへのシフトが進んでいるが、このシフトではシステムの移行はもちろんのこと、社内文化の移行も必要となる。Microsoftでは文化的にクラウドへのシフトにうまく対応できているのか
Microsoftでは、オンプレミスパッケージから、わが社のデータセンター上で稼働するオンプレミスパッケージの提供、さらには完全なオンラインサービスを提供する企業へとシフトしつつある。もちろん、自社でプライベートクラウドを展開したいという顧客にも対応している。
Microsoft社内でのクラウドへのシフトは、文化的にも成功していると言える。「Microsoft Dynamics CRM Online」が代表的なクラウドサービスとなるが、このサービスでは年に2回のアップデートを実行している。ソフトウェアパッケージとは異なり、クラウドサービスでは顧客もそれくらいの更新頻度を期待しているためだ。
開発手法については、クラウドに合ったアジャイル開発を採用している。新しい機能を常に提供していこうという気持ちでいるし、サービスを絶対止めないということも念頭に置いている。クラウドではわれわれが顧客のIT部門の役目を果たしているのだから。サービスのニーズが非常に高まっていることも実感している。
--クラウドの文化へシフトするにあたって困難はなかったのか