オフィスの電話をタブレットで置き換えるべき6つの理由

Will Kelly (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2012-04-04 07:30

 オフィスの固定電話が、今後お払い箱になる可能性があるというのは周知の事実だ。一部の組織ではすぐに移行することはないかもしれないが、経済性と技術の向上によって、タブレット端末は従来の固定電話の代わりとして魅力ある存在になるところまできた。

 この記事では、われわれの多くにとって、今後数年で固定電話をタブレットで置き換えた方がよい理由を説明する。

1.BYOD

 2010年にAppleの「iPad」が発売されたことで、消費者のタブレット端末に対する注目は急激に高まった。iPadは人々に愛され、それに伴って、違う選択肢を求める消費者向けの「Android」のタブレット市場も恩恵を受けた。これがBYOD(Bring Your Own Device、私物デバイスの持ち込み)のトレンドにつながり、従業員は仕事のためにオフィスに個人所有のデバイスを持ち込むことを希望し始めた。この流れは、iPadやそのほかのタブレット端末に端を発していると言えるだろう。

 それに加え、この盛り上がりがビジネス部門からの注目につながり、より多くのタブレット端末用ビジネスアプリケーション、特にコミュニケーションや協調作業のためのアプリが求められるようになった。

2.ユニファイドコミュニケーションの台頭

 ユニファイドコミュニケーション(UC)は、今では中小企業でも大企業でも同様に導入可能であり、VoIPによるソフトウェア電話、インスタントメッセージング(IM)、ビデオ会議を1つのデバイスにまとめ、会社のタブレット端末を従業員のコミュニケーションハブにすることが可能だ。

 Microsoft、Avaya、Cisco、CounterPath、Whaleback、Fuzeboxを含むUCベンダーは、AppleおよびAndroidタブレット用のUCプラットフォームサポートを提供している。これらのクライアントは標準になりつつあり、自社で新たなUCシステムを導入するにあたっての、タブレット端末用クライアントの要件は非現実的なものではない。

 会社に独自のUCシステムを持つだけのスタッフやインフラがない場合でも、新たなクラウドベースの選択肢が登場してきており、このことも、今が従来のPBXを使った設備からUCに移行するのによいタイミングである理由となっている。

 これらの理由から、音声、映像、オンラインコミュニケーションをUCプラットフォームに移行し、固定電話をタブレット端末で置き換えることは、大企業にとっても、小規模な企業にとっても、従業員の生産性を向上させ、会社の席にいるときだけでなく、どこでも顧客と連絡が取れるようにする有望な選択肢となっている。

3.タブレット端末のハードウェアの進歩

 タブレット端末のハードウェアは、ほとんどノートPCやウルトラブックに匹敵するほど進歩しつつある。ASUSの「Transformer Prime」のような最近のモデルのAndroidタブレットは、5コアプロセッサ、1080pの動画再生機能、8メガピクセルカメラといった高水準の仕様を備えている。新しいiPadは、A5Xチップ、改善されたバッテリー寿命、4G LTE、UCに適した5メガピクセルiSightカメラを持っており、固定電話の代わりとして有力な候補だと言える。

 固定電話とタブレットが融合する兆候さえあり、近く発売される予定のASUSの「PadFone」は、タブレット、電話、ネットブックを1つのデバイスにまとめたものだ。このデバイスは16/32/64Gバイトのメモリと1GバイトのRAMを搭載し、2012年4月に発売される。この化け物の中心となっているのは、最新の「Snapdragon S4 1.5Ghz」デュアルコアプロセッサを備えた4.3インチのスマートフォンだ。これはまた、解像度が960×540のディスプレイと、前面と背面にカメラも持っている。PadFoneステーションと電話をドッキングさせると、解像度が1280×1000のディスプレイを持つ10.1インチタブレットに変身する。このデバイスは、組織が固定電話をお払い箱にしたいと思うような、驚くほどポータブルで強力な選択肢となる可能性がある。

 AndroidタブレットとiPadのハードウェア仕様は、Bluetoothのヘッドセットと組み合わせることで、今すぐ使えるポータブルなコミュニケーションハブになれるだけの水準に達している。

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