大同メタル工業は会計や人事の基幹系システムの刷新でRIA基盤「Curl」を採用している。SCSKが4月11日に発表した。
自動車を中心に船舶や航空機、生産機器などに使われるすべり軸受け部品を生産する大同メタル工業は、2008年から基幹系システムをメインフレームからオープン系システムに移行する作業を進めている。当初は業務パッケージを検討していたが、対象業務との整合性、メインフレームと同等の操作性を維持できないなどの課題を抱えていた。
メインフレームの開発言語であるCOBOLのロジックをオープン化して、ウェブベースのビジネスロジックとして再利用することが困難であるというシステム面での課題もあったという。業務との整合性や既存のCOBOL技術者のノウハウを活用できるシステムとして、Curlを選択している。
Curl採用のポイントは、メインフレーム特有のファンクションキーや実行キーの設定にも柔軟に対応できるユーザビリティーを提供するとともに、使いやすさも向上できることを評価している。エンドユーザーは新システムにスムーズに移行でき、業務生産性も向上できるという。

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既存のCOBOLを活用したCOBOL連携フレームワークと、CurlからCOBOLのビジネスロジックを呼び出すためのインターフェースコードを自動生成する機能を活用することで、ウェブシステム構築の煩雑さを排除して、開発期間の短縮と開発生産性の向上も実現できることも採用のポイントとしている。
Curlの画面開発ツール「Visual Layout Editor(VLE)」を使用することで、ドラッグ&ドロップベースのノンコーディング開発と、ブラウザやプラットフォームに依存しないクロスプラットフォーム開発が実現できることも評価されている。
大同メタル工業の新システムは、2010年4月に会計、2011年1月に人事給与、2011年4月に購買とワークフローの各システムが稼働し、2012年4月に債権システムの稼働を予定している。開発当初は4人からスタートし現在は6人体制となっているが、短期間に5つのシステムを構築したことになる。
開発を短縮できた理由として、COBOLとCurlの連携フレームワークや自動生成機能、VLEの生産によるものであると説明。仕様確定後は、業務画面開発からCOBOLのビジネスロジックまで含めて今まで開発した資産を活用して、現在では1~2日で開発できるようになっているという。