TISは5月29日、アプリケーションやハードウェアなどシステムの概念実証(Proof of Concept:PoC)をもとにビジネスに貢献する効果的なIT戦略の立案を支援する「TIS Enterprise Architecture Laboratory(TIS EAラボ)」を6月19日から稼働させると発表した。
PoCは新しい概念や理論、原理などが実現可能であることを示すための試行を指している。ここではシステム構築前のハードウェアやソフトウェアなどの実機を利用した性能検証などを確認する。
EAラボは、TISのデータセンター「GDC御殿山」(品川区)に開設する。EAラボを利用することで、ユーザー企業の課題に対するシステムの導入効果を事前に検証でき、検証結果にあわせたシステムのグランドデザインやスペックの特定など、IT投資の最適化が可能になるという。導入後のシステムの性能によるビジネスへの影響リスクも軽減できると説明する。利用方法の具体例は以下の通り。
- 経営指標のリアルタイム分析や決算早期化などの経営課題や業務課題に対し、業務プロセスとともにシステムの最適化を検証
- ビッグデータやクラウド活用のためのシステムデザインの概念実証
- M&Aや事業の統廃合による多様なシステムの統合検証
- ハードウェア刷新時のマルチベンダーシステムやスクラッチなど既存アプリケーションとの組み合わせ検証
- 総所有コスト(TCO)削減を目的とした統合データベース(DB)基盤構築の効果検証
EAラボの検証対象ハードウェアは、DB専用機「Oracle Exadata Database Machine」、分析専用機「Oracle Exalytics In-Memory Machine」、DBアプライアンス「Oracle Database Appliance」。オラクル独自のコンセプト“Engineered System”で開発された製品をまず対象にしている。
これらのハードウェアの上で稼働するシステムとしては統合基幹業務システム(ERP)パッケージの「Oracle E-Business Suite」を活用した基幹系システム、経営管理アプリケーション群「Oracle Hyperion Planning」やビジネスインテリジェンス(BI)アプリケーション群「Oracle Business Intelligence Applications」などを活用した情報系システムも検証できる。スクラッチ開発のシステムやTIS独自のパッケージも検証の対象だ。
EAラボでは対象をオラクル以外の製品にも拡充していく考えを明らかにしている。