言語ビジネス
さて、myGengo.comもバベルバースも、いずれもテクノロジの活用を強みとするが、翻訳や通訳そのものは人力によるところが特徴である。しかしながら、両社とも、依頼者と翻訳者・通訳者が直接的に遣り取りが出来るようにすることで、オペレーションコストを最小限に抑えている。一方で、サービス品質を担保するために、サービス提供者の認定プロセスを明確に定め、その提供レベルを可視化している。
結果的に、依頼者はより高い品質のサービスを安く享受でき、サービス提供者はより高い収入を得ることが出来る。そして、エージェントたるmyGengoやバベルバースは、PtoPサービスのプラットフォームに徹することとなるが、その目論見にリアリティを持たせるのは、グローバリゼーションの進展に伴う市場規模の拡大なのである。
さて英語の勉強はやめられるか
とはいえ、ビジネスの会話の中で、「ちょっと待って、いまバベルバースに接続するから」とか言いながら会議を行うのはあまりリアリティが無い。バベルバースと脳を直結できれば、シームレスに会話も出来そうであるが、さすがにそこまで待つことも出来ない。
ゆえに、やっぱり、一定のレベルまでは自分の言葉で話せるようにならないといけないのだと思うが、低価格化したこうしたサービスを積極的に組み合わせることで、より効率的なコミュニケーションを実現できるだろう。今までも翻訳や通訳を活用していたならば、こうした新しいサービスを使わない手はない。
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飯田哲夫(Tetsuo Iida)
電通国際情報サービスにてビジネス企画を担当。1992年、東京大学文学部仏文科卒業後、不確かな世界を求めてIT業界へ。金融機関向けのITソリューションの開発・企画を担当。その後ロンドン勤務を経て、マンチェスター・ビジネス・スクールにて経営学修士(MBA)を取得。知る人ぞ知る現代美術の老舗、美学校にも在籍していた。報われることのない釣り師。