日立製作所の情報・通信システム社は製品ライフサイクル管理アプリケーション「Oracle Agile Product Lifecycle Management(PLM)」のグローバル展開を完了、グローバルで開発情報を共有する仕組みを構築した。日本オラクルが6月20日に発表した。
日立は情報・通信システム事業で製品の設計から製造に至るすべての情報を拠点、工程間で共有することでコスト削減とリードタイム短縮の実現に向けた取り組みを進めてきている。ビジネス環境の迅速な変化への対応を目指して、Agile PLMを2001年から部署で導入している。
日立は、Agile PLMの活用開始当初から開発業務改革と設計・生産連携を目指して、業務プロセスの見直しと改善を進めてきている。Agile PLMで構築されたシステムは、部品表(Bill of Materials:BOM)を設計から生産に至る全工程の共通言語として位置付け、設計変更や部品手配、調達先変更、生産指示といったすべてのやり取りが一元化されている。
Agile PLM導入後は、平均9カ月かかっていた開発期間が最終的に平均6カ月に短縮され、設計工数も7.8%削減できているという。導入効果が得られたことからグローバルでのシェアードサービス化を進め、現在情報・通信システム事業のサーバやネットワーク機器、ストレージなどの製品で約4000ユーザーが活用するまでになっている。
Agile PLMのグローバルでのシェアードサービス化で、国内の設計・開発拠点と海外の設計・開発拠点の間で設計・生産連携が可能になったと説明する。システムを共通化することで、従来行っていた現地での生産に必要な図面を航空便で送ってから電話やメールで調整するなどの作業が削減され、設計変更に必要な期間が7日から1日半に短縮され、変更の漏れもなくなるなどの効果も出てきているという。