工業、電力、医療分野で世界的に知られるドイツのSiemens。同社ではシーメンス産業オートメーション事業部のビジネスユニットとして、Siemens PLM Softwareを配置している。日本ではシーメンスPLMソフトウェアとして活動しており、その名の通り「製品ライフサイクル管理」(Product Lifecycle Management)にかかわるソリューションを提供している。
シーメンスPLMソフトウェアが5月20日に中国・上海で開催したプレスカンファレンスでは、基調講演にキヤノン イメージコミュニケーション事業本部 レンズ事業部 上席担当部長の浜谷雅秀氏が登壇した。浜谷氏は1971年にキヤノンに入社、1998年からイメージコミュニケーション事業本部の事業、開発、生産にわたる事業ITの革新を推進、統括している。2007年にIT部門へ異動し現職。現在は全社のCADおよびPDMを中心とする技術系システムを統括している。2010年にはキヤノンITソリューションズの執行役員も兼務。今回はキヤノンの業務革新とIT活用を主要テーマに講演した。
他社も実現できないPLMシステムの統一
キヤノンの事業は「オフィス」「コンシューマー」「産業機器」と、大きく3つの分野に分けることができる。
売上全体の51%を占めるオフィス分野では、コピーやレーザープリンタ、ネットワーク複合機、トナーカートリッジなどを取り扱っている。浜谷氏によれば、「ネットワーク複合機の部品点数は約3万点」だという。
コンシューマー分野は、カメラやレンズ、ビデオカメラやインクジェットプリンタなどを擁し、売上全体の41%を占める事業となっている。デジタル一眼レフカメラは約1000点ほどの部品で構成されており、開発期間はおよそ半年。デジタルカメラは500点ほどの部品で構成されているという。
半導体露光装置やハンディターミナル(携帯情報端末)などは産業機器分野の製品だ。半導体露光装置は5〜10万の部品点数で構成されるという。
これらを踏まえたうえで、浜谷氏は「ライフサイクルや部品点数など、業務を理解した上でシステムをどう使うかが重要だ」と述べる。