キヤノンは2000年に2Dから3DCADにITシステムを移行。2007年には製品開発、設計にかかわるITシステムの統合を決定し、同年11月にシーメンスPLMソフトウェアのデジタル製品開発ソフト「NX」と、コラボレーション基盤「Teamcenter」の採用を決定した。イメージコミュニケーション事業本部では既に同社製品を利用していたが、次世代基幹PLMシステムとして、全事業でシーメンスPLMソフトウェアの製品を利用することになる。
浜谷氏は「ヒト、モノ、カネというリソースを有効活用するため、そしてガバナンスの確立を目指して統合する」と述べ、「(PLMシステムの)一本化は他社も実現できていない」と優位性を強調する。
「事業毎にCADと管理システムがバラバラだったが、これをトップの決断で一本化した。2007年から準備に入り、今年から各事業で利用を始めた」
ともにチャレンジするベンダーを選ぶ
一本化にあたり、さまざまな製品を比較、検討したと言うが、キヤノンはシーメンスPLMソフトウェアの製品を採用した。その決め手として、浜谷氏は次のように述べている。
「仕様もさることながら、一緒にやってくれる非常に良きパートナーであると感じたこと。(製品を)使いにくいと思うこともあったが、これを良くしていこうとしてくれた」
「ベンダーの選択にあたり、キヤノンは将来にわたって一緒にチャレンジできる点を重視する。シーメンスのNXを利用することで、将来にわたってよりチャレンジングな設計ができると確信している」