フォードの復活にITが果たした役割 - (page 4)

Jason Hiner (TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2012-07-18 07:30

 「5年前に発売した時に消費者から多くの好意的な反応を得たSYNCの開発で、IT部門は積極的な役割を果たした」とSmither氏は述べた。「SYNCを進化させ、機能を追加した結果として、われわれは今ではSYNCのソフトウェアすべてを工場の中でリアルタイムで構成するようになっている。われわれは基本的に、自動車が組み立てラインを流れていくに従い、その自動車の仕様と、その自動車向けに設定される必要のある言語に応じた言語パックに基づいて、機能を読み込む無線機能を持っている。自動車に搭載される他の(ソフトウェア)モジュールについても、同じことが行われるようになっている。つまり、工場のITアプリケーションは、製造プロセスで物理的にソフトウェアを読み込ませる方法に頼っていた以前と比べ、実際にますますより多くの製品機能を提供できるようになっている」

 製造工場のバックエンドで展開されているIT関連の仕事の多くもまた、より素早く柔軟な工場を作るためのものだ。


提供: Jason Hiner

 Smither氏は次のように話した。「現在行われている再ツール化の大部分は、製造ラインの脇にある設備のオートメーションの水準を上げるだけでなく、工場の柔軟性も高めている。このツールはより柔軟であり、消費者の要求に合わせて、リアルタイムで柔軟に対応することが可能だ。以前は、工場は決まった構成の自動車の決まった機能だけを実現するように作られていた。オートメーションとロボットの柔軟性によって、毎週スケジュールされている自動車の組み合わせを、ずっと柔軟に変更できる工場を持つことができるようになっている」

 この種の柔軟性は非常に必要性が高い。2012年春に、北米で消費者の需要が急増したのに対し、競合企業であるChryslerとGeneral Motorsでは問題なく供給能力を増やせたが、Fordはそれに見合うだけの自動車を供給できなかったという恥ずべき問題が生じたことを考えると、これは特に重要だと言える。

ユーザーのことを忘れない

 近年多くのIT部門は、ヘルプデスクとユーザーサポートの経費を切り詰めざるをえず、ユーザーが自分のデバイスを使うに任せる状態になってしまっている。これは比喩だが、一部のケースでは文字通りこういうことが起こっている。Fordでは、IT部門の変革にあたっては、従業員の力を賢く高めるということも考える必要があると認識されていた。

 「われわれが『デジタルワーカー』と呼ぶプログラムを始めたのは、約5年前だ。このプログラムは基本的に、機能をグローバルに高めていくのに必要な共同作業ツールすべてを対象としたものだ」とSmither氏は話した。「このプログラムは4つの分野に分かれている。1つはインスタントメッセージングや電子メール、Microsoft Officeといった、従来型のオフィス生産性ツール。取り組みの第2の分野は、データと動画と音声による共同作業だ。また、モビリティによるソリューションの分野があり、これは遠隔アクセス、従業員の自前デバイスの持ち込み(BYOD)、タブレットなどだ。4つ目の主要な分野は、情報とデータのプロビジョニングで、これには、構造化されたデータのリポジトリにMicrosoft SharePointを、ソーシャルメディアにYammerを、グローバルにリポジトリ上の文書を検索できるようにするには、エンタープライズ向けの横断検索技術を使う。また、チームが世界中で共同作業する能力を高めるために、われわれはこれらのサービスを積極的に統合している」

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