IT部門への12の提言--変化に適応するために

Jason Hiner (TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2012-05-18 07:30

 今日のIT部門は絶え間ない変化に適応していく必要に迫られており、プレッシャーにさらされてもいる。以下ではその理由と、IT部門が進むべき方向性に関するアドバイスを紹介する。


 筆者はZDNetのThe Great Debateというコーナーにおいて定期的にモデレーターを務めており、賢明なコメンテーターたちを迎え入れ、賛否両論を呼ぶトピックについて彼らが舌鋒を交える場に立ち会えることを、いつも楽しみにしている。それにしても、今週の議論は特に素晴らしいものだった。というのも、TechRepublicのJustin JamesとZDNetのDana Gardnerが「IT Department: Cost Center or Profit Center?」(IT部門:それはコスト部門なのか、それとも利益部門なのか?)というトピックで激論を戦わせたためである。この議論は、現時点におけるIT部門の行く末と、それを変えていく方法に関する話題にまで広がる結果となった。

 もしもあなたがこの議論を見逃したのであれば、今日多くのIT部門が四苦八苦している理由や、IT部門が自らを必要不可欠な組織へと変革していくための方法に関するアドバイスを見逃したということになる。しかし幸いなことに、今でも議論すべてをオンラインで読むことができる。また本記事では、GardnerとJamesから出された重要な知見のなかから12個を選び、紹介している。

#1:IT部門の問題

Justin James:ほとんどのIT部門は、自社に価値をもたらし続けることができないでいる!これまでに達成したことが、社内メール便を電子メールやインスタントメッセージで置き換えたり、ファイルキャビネットや会計帳簿をデータベースとアプリケーションで置き換えたりしただけだという場合、あまりにもコストがかさみすぎ、今まで通り人手で行っていた方が安く済んだのではと感じるだろう。こういった状況では当然ながら、IT部門が利益部門であるようには見えないはずだ。実のところ、IT部門は利益部門ではないのだ。また、このような状況の改善方法を誰かが提案したとしても、IT部門はたいてい「ノー」と言うはずである。もっとも、その多くの場合にはノーと言うだけの理由があるのだが、業務部門から見るとそれは非協力的な態度に思えてしまう。

#2:IT部門は強みを失いつつある

Justin James:IT部門は企業のITリソースを牛耳っているという強みを失いつつある。今日では従業員が自らのIT機器を職場に持ち込めるようになっており、業務部門もクラウドを利用したITが可能になっている。このためIT部門は、業務部門にはこれを与えておけばいいだろうという今までの態度を捨て去り、これからはさらに賢明に、かつ身を粉にして働く必要に迫られることになるはずだ。

#3:IT部門の新たな役割

Dana Gardner:企業はクラウドやSaaSを採用してIT部門を撤廃するのではなく、同部門にサービスブローカーとしてのより幅広い役割を担わせていくべきである。・・・既に、クラウドやモバイル機器、さまざまなところからのリソース調達、戦略的リソース調達、Eコマースを中核コンポーネントとして活用する戦略的IT組織という新たな役割が姿を現しつつある。競合他社よりも、あるいはパートナー企業よりも優れたビジネスサービスを提供することにより、IT部門は現代的なバリューチェーンの一環として機能できるようになるわけである。またIT部門は、イノベーションを通じてその役割を拡大し、より大きな付加価値を生み出し、より多くの機会を手にできるようにもなるはずだ。

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