#7:定量化とレポート
Dana Gardner:IT部門が業務にもたらす影響をすべて定量化する必要がある。プロセスを改善する新たなアプリケーションと、そのプロセスの結果との間にある因果関係を明確にすることになるわけだ。また、ソーシャルツールを用いて社内アンケートを実施し、IT部門の活動内容について良い点と悪い点を挙げてもらうのもよいだろう。アプリケーション開発の場合と同様に、運用部門とともに彼らの視点からIT部門のパフォーマンスを評価した後、開発者にフィードバックを返すとともに、業務ユーザーとも情報を共有する。・・・IT部門がライフサイクルの見通しをよくすることで、自らのイメージアップに役立てられるはずだ。
#8:組織内におけるジレンマ
Justin James:先見の明があり、意欲的で、IT部門と連携して仕事を進めるという開放的な考え方を有している部門などあるのだろうか?また、あるプロセスを実施することで多くの従業員が職を失う可能性もある時に、実際にそういった意思決定を進んで下そうとする人間などいるのだろうか?これが最も大きな問題だ。業務部門の人々は、近代化への道を進むことで失われる仕事があるということを、頭のどこかで常に理解しているのである。
#9:高評価が得られるプロジェクトを見つけ出す
Dana Gardner:IT部門は初陣を飾る戦場を慎重に選定する必要がある。後々、積極的に使ってもらい、IT部門の評価を向上させるには、メリットを早期に見せておくことが不可欠なのである。つまり、リーダーシップを発揮するために業務部門で頭痛の種となっているものごとを見極めておくというわけだ。こういったものとしては、業務プロセスの可視性だったり、データをより迅速に、かつよりきめ細かく活用する能力などが考えられるだろう。業務部門のリーダーはよくできたグラフが大好きだ。データや分析、ダッシュボードといったものは、IT部門が優先的に手がけているということを彼らに理解してもらうのがよいだろう。あるいは、業務開発の命を受け、何らかの改善を実施するか、提案を行うよう求められている人々が抱えている重要な問題を見つけるのもよいだろう。IT部門は、収益に結びつく業務を築き上げている人々と積極的にかかわり合い、彼らと連携していく必要がある。こういったことは、家畜が通る道を舗装し直したり、古いサーバを置き換えるといった作業よりもずっと重要だ。・・・他のものごとと同様に、これは文化に根ざしている。そして、文化は変えていくことができるのだ。